ほぼ足りてまだ欲 その先

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儲かれば

 報道機関が伝えるところによるとカリフォルニアのChinoにあるWestland/Hallmark Meat Co.,という会社に対して米国連邦政府農務省は148百万ポンド(64,860トン)もの牛肉を自主回収しろと通告したそうだ。なにしろこれだけの肉を回収するというのは前代未聞だそうで、どうやら大騒ぎである。
 日本には入ってきていないと日本政府は取り敢えずコメントしている様だけれども、こんなのは断言なんてできない。もちろん「入っていないだなんて誰も断言できない」なんてコメントを政府が出すわけにはいかない。例の餃子の話じゃないけれど、どこでどんなものが「食べ物でござい」と偽って売られているのかもう想像もつかない。
 どうせ書類でしかチェックをすることを知らない自国政府がどんなことを検討したとしても多分厳密に排除することはもう全くの話、不可能だ。一切、そんなものを食べるなんてことはしたくないと思うならば自分で自分が食べるものについては栽培をして、採取して暮らすしかない。しかもその基となる種子だって、そんじょそこらの店頭から買ってくるわけにも行かない。その種苗が本当まともなものかどうかだってもう問題にしようとしたらあり得るのだから。
 人間はことほど左様に愚かにして、目の前の金を掴むことに奔走し、目の前に予想される面倒を回避し、めぐって自分にその影響が及ぶことになんら気遣いもなく気付くこともない、と遥か昔から云われてきていても懲りる様子も見せない。人間が人間を滅ぼしていくわけだから、種族としては文句の持って行きようがない。そのうち他の生物諸兄から「責任を取れ!」と迫られることに相成るのだろうけれど、もうその時にはどうしようもない状態に陥っている、ということになるのだろうか。
 どんどん食べられるものが制限されてきた。それは安全性の問題だけじゃなくて、価格的な問題も含んでいるわけだ。なにしろ小麦だって値が上がると云うし、それは将来的に下がる可能性があるのかといったらほとんどない。これはもちろんいつもの様に金持ちには影響は少なくて済み、巨万の富を得ていない、将来的にも得る可能性のない人たちばかりにどんどん影響が及ぶことになるのだろう。天災被害と一緒で金持ちは被災地から逃げ出すことができるのだけれども、貧乏人は逃げ出すことはなかなかできない。今回の米国西部、特にカリフォルニアに住む金持ち(多いんだろうなぁ、きっと)は食べ物を他のタンパク源に逃げるだろう。それでもその安い牛肉から逃げることのできない人もたくさんいるし、そこにすら辿り着けない人たちもいる。
 昨日は山積みになっていた餃子の皮を買ってきてキャベツと葱と豚挽肉の餃子を作って食べた。あの市販の皮も値が上がるんだろうなぁ。