ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

みんな、船の操船に詳しく

 イージス艦が鮪延縄漁船をぶっ潰してふたりが行方不明になった悲惨な事件でテレビは終日刻一刻と新たな事実を報じてきている。もうあらゆる船の右側には緑、左には赤の航海灯がついているということを全国民がこれで知っただろう。そして海上では右側に避けるということもわかった。そして船がフル・アスターン(全速後進)をかけてもそう簡単には停まれないということも、夜でもホウィール・ハウスには「ウォッチ」に立っている人間がいるけれど、こんなことも起こりえるんだということもわかった。勿論レーダーもあるはずなのに、それでもぶつかった。
 あの回収された漁船の残骸を見ると明らかに漁船の真横にぶつかっている。それも相当な勢いでぶつかっている。グラス・ファイバーは追従性がないから「バキッ!」といっちゃうんでしょうねぇ。操舵室部分がなくなっていることから見ても明らかにあの部分に乗り上げている。いったいイージス艦はどれほどの速度でぶつかったのだろうか。夕刊にはイージス艦は10ノットで航海していたと書いてあるが、果たしてそうだろうか。勿論どこの時点で操舵手に対して「フル・アスターン」の指示が出たのかという点が重要だけれども、本当にアスターンはかけたのだろうか。フル・アスターンをかけると船は振動することを思い出した。
 午前4時がウォッチの交代時間であったとするとその引き継ぎの時にホウィール・ハウスの後ろのチャート・ルームに入って引き継ぎにあたっていてウォッチがお留守になってはいなかったのだろうかと日本財団の人がテレビで語っていたがこれは大いにあり得る話ではなかったか。
 船は車でいえばリア・ドライブだから思いっきり舵を切っても船首から進路を変えるわけではない。舵を切って進路が変化していくまでにもそれまでの勢いで相当進んでしまう。この船にはまさか船首にバウ・スラスターがついているわけではないだろう。
 東京新聞(2008年2月20日 23時28分)によると「約12分前には清徳丸に目視で気付いていた」がそのままオート・パイロットの設定のままで航海を続け、「手動切り替えは事故1分前」だと書いてある。放っておいたということになる。この11分間の間、一体全体何をやっていたというのだろうか。やっぱり交代の引き継ぎか?