Market StreetからPowell Stを北上。ユニオン・スクウェアのあたりで黒ずくめの日本人女性と前後する。向こうが「日本人の方ですね」と仰る。「もうすぐこの辺は日本人でいっぱいになりますよ」という。いったい何事かとお伺いするとサクラメントであった獣医の学会に参加していた日本人が60人このあたりにやってくるんだという。そんな程度でなんで「日本人でいっぱいになる」だなんていうのだろうか。どこぞのチョコレートショップが今日までバーゲンなんだとかまくし立てていってしまった。現地で勝ち抜いて残るというのはきっと大変なんだろうと察する。個性がないと。
GRACE CATHEDORAL
昨日フェアモント・ホテルに行ったときに寄るつもりだったのに忘れてしまって素通りしてしまったので、今日はじっくりとこのアングリカン教会に入った。なんでも物の本によるとステンドグラスがすごいと紹介されているのだそうだけれど、いや、そのステンド・グラスは噂を遙かに超えるものだった。ステンド・グラスというものは手が込んでくるとどんどんフレームが入ってくるせいか明るさが失われてくることに気がついた。
教会にはいるとすぐに洗礼盤があり、その先のスペースには「ラビリンス」が書かれている。ショップにはラビリンス関連のグッズがとてもたくさん置かれている。ショップといえば、ロンドンの聖ポール寺院と同様地下にある。もちろんその規模は比較の対象には成りえないが。地下のトイレはそのショップで鍵を借りることになるが、なんとそのトイレはそれこそ10人以上の使用に耐えようという規模なのに、鍵は一つという不思議な状況である。
キリスト教会、あるいは教会建築に興味のある人は見ておいてもよいだろう。
Masonを歩く
Mason Streetを淡々と北上する。Broadwayに交差するまでは相当に高級なんだろうなぁと思わせるアパートが続くがBroadwayを横切るあたりから様相がずいぶん変わってきて中国人の人たちが主人公となる地域になってきた。Jackson Stでケーブルカーに乗ろうかとも思ったけれど、乗っけてくれなかった。それで踏ん切りがついて、ついにColumbusを横切ってフィッシャマンズまで歩き通した。この私がこれだけの距離を山坂を耐えて歩き通したのは近来まれに見る忍耐であったといって良いだろう。それはいくらこれが普通なんだとはいえ、やっぱり昨日の様に暑くはなかったからに相違ない。歩いて到着したのがJones St.の先だったので、昔からある古いイカや海老、蟹を茹でたり揚げたりして食べさせる売店が並んでいるところだった。なんだか疲れてきていてあんまり軽快な思考回路ではなかったのだけれども、どうしてもエビ・イカの揚げ物を食べたいという人の声に従って通りかかりに買ったけれど、油がきつくて美味しくなかった。余計にちょっと不機嫌方向に傾く。
San Franciscoの街中にはどこにいってもGHIRARDELLIのチョコレートを売っている。本当にどこの店にも置いてある。Westfieldの地下にあるBristol Farmsでもここのチョコレートがどっさりある。ここに向かって歩いていこうとすると、ついにIn-N-Outを発見。友人の一人がここのバーガーがなんといっても全米一だというのである。これまでかすめていたものの、遭遇しなかった。早速最もシンプルなバーガー、$1.94を買ってみる。バンズが小さめでしっとりとした日本のバンズのようであり、肉もソースの味も実に日本人にぴったりな味作りで友人がうまいといった理由がわかった気がする。コーヒーの方は連れ合いに気を遣って日頃になくクリームと砂糖を加えてしまったものだからまずいっちゃありゃしない。
GHIRARDELLIのコンセプトはもちろんチョコレートの販売なんだろうけれど、そのほかにも各種の店舗が入っていて、中にはワインの店でありながら豪州のビール、VICTORIA BITTERを置いている店があったり、犬関連製品の店があったりしてみんな洒落ている。これではThe Canneryが落ち込む理由がわかろうというものである。
4台分ほどを待ち続け、とうとうケーブル・カーに乗る。一人片道$5.00である。ユニオン・スクウェアの横まで乗り続ける。連れ合いはこれで満足したことだろう。