日本サッカー協会は川淵三郎から元三菱重工の犬飼基昭に理事長が変わる。それに伴って新しい理事に元ラグビー日本代表監督の平尾誠二氏(45)、女子テニスのクルム伊達公子(37)、元サッカー日本代表の風間八宏氏(46)という若手を入れることになったと昨日から報じられている。異論が出たそうだ。なんで北沢や三浦じゃなくて、サッカー以外からの登用なのかと。普通のスポーツ団体だったらば当然そうなるだろう。私は理事長の定年制についてもそう思っていたのだけれど、「社外」じゃなくて、「業界外」からの導入をはかるだけのフェア精神には感服している。得てしてスポーツ界は先輩・後輩の絆が強く、そうした状況に自ら酔ってしまって前後不覚に陥りやすい。その証拠にすぐに指導者を神格化しやすい。しかし、ここが私は川淵三郎の功績大なるところだと思う。それまでの既存体制では発展性がないことは分かり切っていたわけだし(尤も企業スポーツの限界点と時期が交錯したという幸運はあるものの)、それをごり押しされても跳ね返してここまで来た。そしてしがみつくことなく引退する。
これにちょうど対照的なのは日本バスケットボール協会だ。2006年に開かれた世界選手権での13億円の赤字あたりからおかしくなって、今や会長空位。麻生太郎だとか、日比谷高-東大でバスケットボール部だった元環境庁長官(ほとんどなにもやらなかったけれど)だった愛知和男(愛知揆一の娘婿)だと議論百出だけれども決められない。挙げ句の果てにJOCからの指導が入る。おかげでバレーボールなんかに比べたら天と地の相違くらいの人気の低迷を招いている。Bjリーグができるときでも「やれるもんならやってみろ、おまえら孤立だ」と云わんばかりの対応をしてきて、実際に孤立してしまうのは自分の方だったというていたらく。「スラム・ダンク」で子どもたちに人気が出てきたあのタイミングを見事に逸してしまった。「キャプテン翼」をものの見事に結実させたサッカー界と大きな違いだ。もちろん世界的な実力の差というものは否めない。なにしろ身長があるかないかは実に正直にプレイに結果として出てしまう。しかし、これでは田臥(今はNew Jersey Netsのサマーリーグに参加しているらしい → こちら) が日本に残ったとしても活躍の場がなかっただろう。
かつて岸記念体育館の日本バスケットボール協会の事務所に行ったことがある。ずいぶん昔の話で、多分20年くらい前の話だろう。雰囲気はまさにどこかの大学のバスケットボール部の部室のようだった。