ほぼ足りてまだ欲 その先

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朋あり

 かつての会社に勤めていたときの友達のひとりがとうとう会社を辞めて第二の人生に踏み出した。ご苦労さん会を兼ねて昨晩は6人が集合。新橋の路地に、今でもまだ残っているのか、という一角があってそこの小料理屋の奥座敷に集う。私は畳が苦手でなにしろ胡座(あぐら)がかけない。3時間半ほど昔話に花が咲く。私はたまに会う人たちの前で前回話したことを何度も話す。わかっていても話す。
 6人の中に現役はもう二人しかいない。このメンバーが初めて出会ったのはもう30年くらい前のことになるかも知れない。夏休みや、週末に山中湖や軽井沢にテニスにいったり、東北にスキーにいったりしたものだ。連れあいを亡くした人もいるし、大病を患った人もいる。ここに集まれなくなった人も2-3人いる。連絡がつかない人もいる。
 人と人との繋がりはこうしてみるととても不思議なものだ。そうこうしているうちに人生は簡単に幕を閉じてしまうかもしれないのだ。昨日逢うことが出来た人たちに私はあと何回お会いすることが出来るのだろうか、とふと思ってしまう。昨日美味しいお刺身を出してくださったあのお店の旦那に私はもう一度逢えるのだろうか。こうして考えると不思議な感じがする。

  • 先輩「じゃ、毎日家にいるの?」
  • 私「そうですねぇ、出かけたいけれど、出かけると金遣っちゃうんですよ」
  • 先輩「それはいえる!」