ほぼ足りてまだ欲 その先

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学力テスト

全国的な学力データを学校現場や教育委員会がそれぞれの結果と比較し、改善すべき課題を浮き彫りにさせるのが狙い。大半の都道府県では既に独自の学力テストを実施しているが、文科省学力低下批判の高まりを背景に、全国一律式を復活させた。
 今回の事業費は約77億円。文科省は9月をめどに、結果を公表。来年以降も実施を計画している。
 テストは算数(中学は数学)と国語の2教科で、基礎的知識を問うA問題と応用力を調べるB問題の2種類。児童・生徒の学習環境や生活習慣なども調査した。
(中略)
 1960年代に実施された全国一律テストは、地域間、学校間の競争がエスカレートして中止された。このため、文科省は競争激化や序列化につながらないよう、成績の公表は都道府県別にとどめ、各教委にも個別の市町村名や学校名を公表しないよう要請した。
 ただし首長や校長が住民や保護者への説明として、成績を公表することは容認。児童生徒の個人成績は文科省が各学校に提示し、学校から本人に通知される。
 テストについて文科省は全員参加が原則としてきたが、愛知県犬山市教委が不参加を決めたほか、私立校の約4割も参加を見送った。修学旅行などと重なった約200校は別日程で実施する。四国新聞2007/04/25 09:24

 この記事はたまたま検索したら最初にぶつかった新聞記事なので、四国新聞について特別の思いやりやら、なんやらがあるわけではない。
 43-44年前というと私が高校生の時期で、受験戦争といわれる人と争うための試験勉強に邁進していたころだ。多分中学の時期には普通にこうした学力テストがあって、自分が試験の成績としてはどのあたりにいるのかがわかったのではなかったかと思う。しかし、そんな文部省のテストなんて全く印象として埋没してしまうくらいに当時の私の中学ではテストの嵐の中にいた。通常の中間試験、期末試験の他に月に一回の、いわゆる業者テストを全校で実施しては上位100名だったか150名だったかの順位を逐一廊下に巻紙のように発表していた。とにかく文部省の学力テストで学校の順位がわかっていたのだからその中の順位がわかれば高校への入学試験の見当がつくわけで、どこを受験するかの目安がついた、ということだった。
 高校受験を見据えている中学生にとっては便利だった。けれど、高校に進学しないと決めている、あるいはもうとっくに授業についていけなくなってしまっていた中学生にとっては全くの話、どうでも良いことだった。
 しかし、全国一斉学力テストの個々の結果を全市民に公開するとなると話はちょっと違ってくると私は思う。普通学級に一緒に通うことで周囲にも自分にも暮らしやすい社会を構築する一助となるだろうと期待される、しょうがいを持った子どもを排除する傾向を助長するだろうことは明白だし、正しくその結果を捉えることではなしに、いわゆる「学力テスト対策」をうつクラス、学校、自治体が容易に出現するだろう。
 指導していく側がその学校の「何年生が持つ傾向としてはこうだから、こうした対策をとったらよいのではないか」と分析するための資料として知ることはもちろん重要でそうでなかったらなんのために実施するのか意味がない。しかし、それを全住民に公開するのは両刃の剣になりかねない。
 大阪の橋下知事がいうように全公開するというやり方には私が反対なのはデーターを意図的にも無意識的にも全く異なる方向に解釈していく人たちが必ずいるだろうという点にある。
 教育方針、あるいは教育のテクニックを考える上で教育現場がわかっている必然性はあるということだ。