ほぼ足りてまだ欲 その先

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大学入試英語

f:id:nsw2072:20191101023951j:plain:w360:left ベネッセのGTECの共通テスト版は、日本英語検定協会が実施する英検「S-CBT」と共に大学入試の英語民間試験として受験生が集中すると思われるテストなのだそうです。
現在名乗りを上げているのは6団体22試験:Educational Testing Service、ブリティッシュ・カウンシル、ケンブリッジ大学英語検定機構、IDP、IELTS Australia、ベネッセコーポレーション、日本英語検定協会、TOEFL

ベネッセのGTEC(Global Test of English Communication)かなり胡散臭い名前。

  • 大学入試が「読む」1技能だけの時代から、「GTEC」は「書く・話す」まで測定し、真の英語力=4技能を伸ばすことを追求
  • 1999年にアメリカのテスト会社と共同で英語検定開発

 全く知りませんでした。知るわけがない。たった20年の歴史で大学入試として耐えられるほどの実績を積んだんでしょうか。一体誰が仕切っているんでしょうね。小学校から英語を授業に入れるという構想にくっついている検定ってことでしょうか。この辺が大学入試民間検定採用路線に大きな力を持っているのかなぁと思わせます。

日本英語検定協会というのは、かつて旺文社が作った検定機関として有名でした。1963年8月の試験が第一回だと書いてあります。私も高校一年の時にこの3級を横浜の関東学院高校の校舎で受けました。だから多分その第一回だったのか、その後の回だったのか。ペーパーテストのあとに面接があって、そこで5問ほどその場で口頭で英語で回答しました。ここまでどうやってきたのか、というような質問だったような気がします。それ以来、この試験は受けていません。なぜか。この検定試験は世界に通用しないからです。日本だけの試験でした。
 この時からでも各検定試験を横並びに評価を共通化することはできませんでした。そりゃそうです、できるわけがありません。それを無理矢理大学入試に直結させるというのは無茶苦茶です。それこそこれまでのように、「うちの大学だったら実用英検2級をとっていれば良いですよ」という活用の仕方だったら意味はあるだろうけれど。
 日本英語検定協会は今では、英国系の国に留学するときには必須だったIELTSの試験をブリティッシュ・カウンシルと共同運営しているそうです。この試験は滅多に実施されなかったので、チャンスを逃がすと次が廻ってくるのに、待たなくてはならなくて、評判が悪いものでした。しかし、豪州の大学へ留学するのには必要ポイントを取っていなくてはなりませんでした。
 1999年、私はTOEFLの試験でクラス分けをするという学校に入りました。入ってすぐにその試験が行われ、長い時間がかかりました。私は途中でトイレに行きたくなり、先生にそういうと、先生がトイレまでついてきました。全く英語能力ではなんの問題もない、ネイティブと同等というクラスには入れませんでしたが、そのすぐ下に入りました。あの頃から比べたら悲しいことに英語力はどんどん下がってきています。何しろ喋るチャンスがない。聞き取るチャンスがない。読むのはどんどん億劫になる。ましてや書くことなんて全くチャンスがない。

 大学受験をするときには、3万円とか3.5万円を払って受験するわけですが、今後は英語のためだけに民間の試験を余計な出費を伴って受験しなくてはなりません。これまでは込み込みだったのに、急にサービス料は別ね!といわれてしまった温泉宿みたいです。それでなくても今の学校は金がかかりすぎます。その割に学校に入ってみると、ろくな授業が行われていないという大学が多すぎます。学生にも責任はあるでしょう。

 日本の大学は本当に根本的に見直す時期が来ています。これではますます世界の大学レベルから置いて行かれてしまいます。


【追記】
どうやら文科省は民間英語試験の導入を延期することにしたようです。
News Weekは今回の実施計画は確かに問題だけれど、今のままだと日本は世界において行かれちゃうと警告を発しています。