ほぼ足りてまだ欲 その先

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かわらん

 国際学力テストというものは一体いつから行われてきたのか知らないけれど、2011年の国際数学・理科教育動向調査で日本の小学校4年生の成績が過去最高になったと新聞が喜んでいる。「脱ゆとりの成果」だと云っている。近頃は「あいつらはゆとり世代だから」といういい方が普通に使われている。
 「ゆとり」という言葉がこんなに否定的に使われる時代が来るとは思わなかった。2000年前後のことだったと思うけれど、小学校でも総合教育というものを通じてものを暗記する教育から、ものを考える教育に転換していこうといわれていたし、それは確かにその通りで、全く面白くも何ともなかった暗記教育に辟易していたから、諸手を挙げて賛成したら、今やあんなことを云っていたから学校の成績が悪くなったのだし、国際的に成績が伸びないと盛んに云われてきた。
 そうした暗記をしないと成績の上がらない様な教育指標で図ること自体が間違っているんだからと云ってきたはずなのに、結局その教育の成果をそんな指標で図って、こんなに劣ってきたというのだから、どう考えても相変わらず間違っているってことだろう。
 全く異なる価値観の指標を手にすることにはとても勇気が要る。なんたってまずどう理解したらいいのかが分からないもの。わからないから慌てて昔の指標に戻るのだ。
 「戦争を放棄する」という価値観がどんなものなのかなかなか現状を理解できない人たちは何十年経っても理解できないと云うことなのかも知れない。「戦争をしない」と誓うことによってそれまで金儲けの源だった事態を目の前にしてみすみす放棄することにどうしても我慢できないという旧態依然たる価値観に縛られる人たちというのがいてもおかしくはない。だからこそそれを止めようと決断したのだ。