ほぼ足りてまだ欲 その先

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白須農水省次官辞意

太田農相は辞任を認めない意向を示しており、ただちに辞任するかどうかは流動的。
 農水省・白須次官は11日の記者会見で「一義的には(不正転売した)企業に責任があると考えている。私どもに責任があるというふうに考えているわけではない」と発言していた。しかし、無責任との批判が高まり、18日の記者会見で「発言は不適切だったと反省しており、撤回した上であらためて謝罪したい」と陳謝していた。(2008/09/19 01:27 【共同通信】)

 白須敏朗(しらす・としろう):1951年、東京生まれ。日比谷高校、東大法学部を出て、1974年に農林省に入省。漁政部長就任も水産庁長官就任の時も前農水次官の小林芳雄の後任。
 辞意を認めない太田誠一の方が何か考えた方がよいかも知れない。昨日の両院の農水委員会では太田誠一は殆ど紙に書いてあるものしか読んでいないのではないだろうか、たどたどしく。
 私はむしろ昨日の委員会での回答に大わらわだった総合食料局長の町田勝弘(1953年生まれ、東京都出身。1976年東京大学法学部卒)の方がひ弱く感じたのだけれど、いやいや、霞ヶ関にそんな奴はいないんだろうなぁ、と大いなる偏見を持つ次第。
 昨日のNHK総合テレビクローズアップ現代」には三笠フーズの元従業員が匿名顔撮影なしで登場して農水省の検査の実態を説明していたが、「うちの隠し方が(農水省の検査態勢より)上だったから見つからない」という。事故米を粉に粉砕する過程に立ち会うわけだけれど、延々とかかる間ずっといるわけではなくて、ホンの始まりの1-2時間滞在するだけだという。その後は事故米を他の倉庫に入れて隠してしまうというのだ。まぁ、確かに役所仕事はこれに限らず、現地に行った、という事実が成立すればよいわけで、これは阿吽の呼吸の元に行われていたのだといわれてもしょうがないだろう。
 それにしても東大法学部を出て霞ヶ関の住民になった人たちは数え切れないほどいるわけだが、実際に現場で業界に接しているのは多分彼らではない。彼らがやるべきことというのは責任をとるということでしかないだろうから、どうせ辞めるんだったら、大臣なんてどうでも良いから、大臣以上に今後どうあるべきかというコメントをしっかり国民の前でつまびらかにして、そして辞めて貰いたい。
 朝になってシナリオは福田主導でこんなことになっていく。

政府は19日午前の閣議で、カビ毒や残留農薬で汚染された「事故米」の不正転売問題の深刻化を踏まえ、農林水産省の白須敏朗事務次官の更迭を正式決定した。後任には井出道雄林野庁長官。(NIKKEI NET 080919 10:45)

 白須君はこのまま何もいわずに辞めていくのかも知れないが、その後の彼の進路がどうなっていくのか、非常に興味深い。
 挙げ句の果てに太田誠一が大臣の職を辞することを福田に伝えたと報道される。この事件の始末は一体誰がつけるのか。これから先もっともっと広がっていくのではないだろうか。コンビニのおにぎりにまで及んでいたことには「唖然」とする。もう一つはこの種の商品は(多分ずーっと昔から)ブローカーのやりたい放題になっていて、今度の汚染米についてもいくつものブローカーがかんでいる。挙げ句の果てに三笠が国から入手したときにはキログラムあたり数円であったものが十社近くが介在した挙げ句に80数円にまで高くなっていくようだ。この辺のシステムを抜本的に考え直さないとやりたい放題だ。きっと小泉ー竹中だったら市場の競争原理が働いているんだとでも評するのだろうか。
 厚労省農水省はもうガタガタだけれども、これは霞ヶ関の例外ではあり得ないだろう。外務省にしたって随分昔から在外公館の私物化が大きく問題になっているし、霞ヶ関のエリート意識に限界が来ている。滅私奉公は極端だけれども、優秀なるが故に期待されていた職務を彼らは踏みにじっているんだといっても良いだろう。