ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

LauncestonからHobartへ戻る

 簡単にいってしまうとLauncestonからHobartへはMidland Hghwayをただひたすら南下するだけである。で昨日の北岸沿線を西から東に走るのに比べると道路工事も少なくてペースはしっかり守れて走ることができる。ただし、自分が知っている街がいくつかあるので、その度ごとにより道をする。
 Launcestonのmotelを7時ちょっと過ぎには出てしまうとまだ街の中は静かなままで、なんでこんな時間に出かけたのかというとLonely Planetの今年度版にCharles Streetの病院に近い方になかなかrecommendableなFrench patisserieがあるんだと書いてあったからなのである。「Tant pour Tant」というお店で別に目新しい感じもしない外観である。そして店の中にはいると普通のパン屋さんに毛が生えたようであり、私は棚にあったスネイルを所望した。そういえば今回まだ一度もスネイルを食べていない。そして飲み物はFlat Whiteのコーヒーだった。店内に三卓しかないテーブルのひとつに座って待っていると奥からお兄さんが大きな板を抱えて出てきたと思ったらその上には綺麗なケーキがいくつも載っている。それをひとつひとつ丁寧にショウ・ケースに入れていく。
 お姉さんが持ってきてくれたコーヒーはカプチーノのように上に泡が乗っているけれどそれがハートのような、あるいはタスマニア島の様な形に見える。スネイルにはナイフとフォークがついてきた。こんなものを使って切ってスネイルを食べたことなんてこれまでに一度もない。それはたっぷりと甘いシロップがかかっているからだった。そしてパイらしくパリパリのクリスピーでそれ程安くはないのだけれど、その分しっかりと新鮮なスネイルだった。スネイルごときでこんなに感動したことは多分ない。

Campbell Town

 さてとMidland Highwayを南下する。次なる目的地はCampbell Town。まだまだと思って走っているとSt. Andrews Innという聞いたことのある名前の建物がこのハイウェイの右側に見える。その前には路肩に車を駐めるところができているからまさにこの建物が1845年に建てられたもので今でも現役のB&Bを営んでいるというそのものだ。道路に面してぽつんと一軒建っているだけである。多分泊まったは良いけれど、結構うるさいんだろうなぁと思わせる。しかし、それにしてもCampbell Townってのはどこなのかと思ったらこの建物の15kmも南でこのハイウェイに面している。古いSt. Lukeという教会が建っている。これは1835年に建てられたというのだからまだ日本は江戸時代だ。
 比較的大きな街だとはいってもあとは店がいくつかあるだけだけれど、この建物群を見に来る人がいるらしくてちゃんとpublic parkingもあるし、その横にはPublicのtoiletもある。

Ross

 そこからしばらくいってRossの街にはいる。こちらはハイウェイから少し離れる。前回10年ほど前にここにさしかかったのはトイレに行きたかったからであり、Public Toiletの案内板に引かれてそのまま行ったらそれが小さなTown Hallの裏だった。そしてそのまま何も見ずにハイウェイに出て行った。
 しかし、今度はわかっているから例の「魔女の宅急便」のパン屋のモデルになったということになっている(いったい誰が言い始めたんだろう)パン屋を覗きに行く。10時のお茶にしてちょうど良い時間だったこともある。おばさんに「典型的な日本人としてはここに立ち寄らないわけにはいかないから」と言い訳をしてたまごとベーコンのパイとここでもやはりFlat Coffeeを注文。このパイは大きすぎた。
 Australian Postに立ち寄って見ていると様々な記念切手のポスターがあったので、どんなのがあるのか見せてもらった。なにしろAustralian Postは民営化されてからあるところは文房具屋のようだし、あるところは雑貨屋さんのようだ。ボーイスカウトの記念切手と豪州のダイナソーの記念切手を入手。
 ウールの記念館ではウールの説明ビデオの上映があったり、ウール製品を売っていたりするが、藤井毛織からのプロモーション用に千ドルの寄付をした目録が飾ってあったりして面白かった。
 次にやってきたのはOatlandという街だけれど、Campbell TownとRossの街をうろついてすっかり疲れてしまって降りて何かをする気にもならないが、それ程珍しい街でもない。
 その後は一気にホバートへ下る。途中の標識に「110km/h, It’s a limit. Not a challenge.」と書いてある。規制速度だけれど挑戦目標速度じゃないぞ、というところか。

Hobartの外れ

 今夜の宿はホバートの市内には取らずに、値段だけをメリットに市内からちょっと北へ動いたLatunaという郊外にある自称apartmentである。ようやく到着してみると表の扉は閉まっている。早すぎたかと思ったら中からおじいさんが開けてくれる。中にはいると、なんだ、裏口が開いていて表の扉は殆ど使っていない。Receptionと書かれたところに行くと小太りのおじさんで如何にもその辺のオージーという感じの旦那がいて、部屋は二階、離れたところにある小屋がlaundryと教えてもらい、それ来たと洗濯をはじめる。後ろの家の庭には大きな雄鶏が鶏冠を振り振り歩いている。さぞかし明日の朝は時を告げる声で目が覚めることだろう。とまぁ、これだけ書けばどんなところかわかるというものだろう。
 ところが部屋を開けてびっくりした。なんと2bed roomの壮大な、しかし、とても古い、本当のアパートメントなんである。フルキッチンどころか本当に普通の家のキッチンだし、普通に暮らすに充分な80平方米はありそうなアパートメントなんである。しかし、古い。如何にも古い。キッチンの水道にはフィルターがついている。フィルターを通さずに水を出してみるとものの見事に真っ赤だ。そりゃそうだろうなぁ。しかし、記録に残しておきたいくらいな建物だ。
 そういえばここの洗濯機もNECだ。メルボルンの洗濯機もNECだった。そうかNEC白物家電供給会社としてこちらでは機能しているわけだ。
 昼飯はゆっくりにしてついでだから5年前に1週間ほど滞在したNorth Hobartに食べに行こうと思い立った。このあたりも全く変わっていなくて、お店もほんの僅かに私の英語をバカにしていたマレーシア系の夫婦がやっていた角のチャイニーズ系のお店が全く違うレストランに変わっていたくらいのもので、駐車場に行く裏道も「麺家」と書いて「Noodle House」と読ませる店、チキンバーガーの店、news agentもみんな変わっていないけれど、「Taste of Asian」という店は気がついていなかった。野菜カレーを食べたけれど、残念ながら味がとても淡泊で何かを掛けてしまいたいくらいの味だった。イタリアンの店は5時まで休みだった。

野生動物

 今回の4日間のドライブ旅行中、道路に轢かれてしまっていた野生動物の殆どはポッサムかワラビーの子どもくらいだったろうか。大人のワラビーが轢かれてしまっていたのはStrahanからStanleyに向かうために山の中を走っていたときのことだった。鳥はこれまでに見たことのない種類には3種類くらい遭遇したけれど、いずれも撮影に成功していない。