ほぼ足りてまだ欲 その先

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カレー事件

 最高裁の判決が出て、被告の死刑が確定した。

  • カレーに混入されたものと組成上の特徴を同じくする亜ヒ酸が被告の自宅などから発見されている
  • 被告の頭髪からも高濃度のヒ素が検出され、その付着状況から被告が亜ヒ酸などを取り扱っていたと推認できる
  • (事件が起きた)夏祭り当日、カレーの鍋に亜ヒ酸をひそかに混入する機会があったのは被告のみで、被告が調理済みの鍋のふたを開けるなどの不審な行動をしていたことも目撃されている


などを総合することによって、合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に証明されていると認められる。

 なお、犯行動機が解明されていないことは、被告が事件の犯人であるとの認定を左右するものではない。

 関与を全面的に否認して反省の態度を全く示しておらず、毒物カレー事件の遺族や被害者らに対して慰謝の措置を一切講じていない。
(五裁判官全員一致の意見) (中国新聞090421)

 とてもすっきりしない気持ちだ。あの憎々しげな林真須美被告の態度が充分怪しいなと思わせるのだけれど、本人は否認していて、上記の理由はどう考えても決め手となるものを欠いている。
亜ヒ酸は「組成上の」特徴が同じだけれど、それだとわかったわけではないし、取り扱っていたことも「推測」で、「不審な行動」は目撃されているけれど入れているところを見られたわけでもない。しかも本人は否認している。その上、犯行動機もわからない。結局何も確たるものは見つかっていないのだ。
 それなのに死刑になる、という点はどうも納得できない。疑わしいことはまさに疑わしいし、私も彼女以外に真犯人がいる可能性が薄いんだろう事も思わないでもない。しかし、これで確定してしまうのは「疑わしきは確実に罰する」ということにならないのか。すっきりしない。