ほぼ足りてまだ欲 その先

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りんごのひとりごと

 私は小学校低学年の頃にツベルクリン反応が陽転して学校を2-3ヶ月休んで毎日毎日家の端っこにある4畳半の部屋に寝ていた、という経験がある。多分、結核の疑いだったんじゃないだろうか。親が二人とももう既に他界しているので確かめようがない。しかし、毎日毎日寝ていて、退屈で退屈で、楽しみはラジオしかなかった。こんな時に落語やらFEN(今のAFN)あたりを聞いていたらきっと違う人生が開けていたのかも知れない。英語の達人、あるいはジャズ歌手あたりになっていたかもしれない。あるいは演芸番組を聞いていて噺家になっていたりしたらもっと面白かったことだろう。
 ところがそんなことがあるわけもなくて、NHKの第二放送の学校むけ番組ばかりを聞いていた。童謡をたくさん聴いたのも多分この頃のことだったのだろう。ところが歌詞やメロディーをおぼえていても題名を殆どおぼえていない。しかも当時の童謡といったら唄っていたのは女の子ばっかりだ。とてつもなく高い音をキィィィ〜ンといった感じで唄う子ばかりだ。だから知っているけれど殆ど自分では唄わなかった。「♪わたしはまっかなりんごですぅ〜、おくにはとおいきたのまちぃ〜」なんて唄も「りんごのひとりごと」という題名がついているというのはついこの前知った。
 それでも唄そのものは好きだったから、学校の音楽の時間で唄うのは大好きだった。しかもその頃から人一倍声は大きかった。今でも「うるさい」といわれる。「あなたにコーラスは向いていない」とまでいわれる。あいつにはマイクは要らないともいわれる。
 こんなことだったらテノールで何か唄えるような訓練をしておけば良かった。これから先はどんどん声が出なくなるのだろうから、唄わなくなるのかも知れない。