ほぼ足りてまだ欲 その先

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江戸家猫八 小猫

 私たちの世代が江戸家猫八と聞くと、すぐに「あ、お笑い三人組ね」という反応をする。「はっちゃん!」「おたぁまちゃん!」とやっていたのが猫八と、コマソンの初代女王・楠トシエであった。
 その猫八は三代目で、80歳で亡くなってから今年で8年になるのだそうだ。
 息子は小猫という。父親譲りの目鼻がすっと通った粋筋な男である。三代目は亡くなる前に「私が米寿になったら八十八(やそはち)を名乗って四代目を継いでもらいたい」とインタビューで答えていたのだそうだ。小猫は今年で還暦を迎える。そして三代目が生きていたら今年で米寿になるのだそうだ。この節目に襲名披露を行うのだそうだ。もうアラカンだったのかと自分の老け方を忘れて思う。しかし、日頃人前に出ている人は幾つになっても若々しい。
 この話を先日お会いした母校の独立研究科の先生からお伺いしたのだけれど、なんで彼女が江戸家小猫とつながるのか不思議でお伺いしたら、なんでもある区での集まりで知り合ったのだという。それだけで、と思ったらなんと小猫の息子の先生でもあるのだそうだ。
 襲名披露は大変でしょうねぇ、とその先生にお話ししたら、落語協会の支援を受けて都内4つの定席寄席でお披露目をし、その他に北から南まで、全国縦断襲名披露を行うのだそうだ。
 私は昔からこの三代目江戸家猫八が好きで、寄席で聴いたことも数知れず。もちろんテレビでも随分愉しませてもらった。初代猫八は三代目のお父さんだというのは知っていたけれど、ず〜っと二代目って一体誰だったんだろうと思っていた。今回ちょっとウィッキペディアを見てみたらこれが木下華声だったんだというのだ。思わず「えっ!?」と声をだしてしまった。木下華声といえば漫談、時にちょっと物まね、というのは聴いて知っていたけれど、二代目猫八を名乗っていたのだとは知らなかった。三代目が襲名したのは1950年だというから私が三歳の時の話で、私が二代目を知らなかったのは無理もない。
 先日、テレビ東京の「レディ4」に出演していたのはそんな話題があったからなのかと納得。
 こういう節目に遭遇できたのはたまたま時代の偶然とはいえ、嬉しいことだ。
 東京では11月30日(月)朝日小ホール 18時開場 18時半開演だという。