ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

「思う」

 私が現役時代に仕えた上司の中に尊敬に値する方がおふたり。
 一人は「どこまでも責任は俺が持つから正々堂々と仕事しろ」といってくれた人。本当に正々堂々とやらしていただいた。今でもあの時の仕事が一番やりがいがあったと思っている。何時まででもやっていたし、とことん仕事に精を出していた。しかし、家庭はほとんど顧みていなかったといえるかも。この時の仕事は対外的なパブリシティの仕事だった。「一度嘘をついたら、あとからどんどん大きな嘘をつくことになる。絶対に嘘をつかないでやって行こう」と教えていただいた。そして私たちは嘘をつかずにやり通した。
 もう一人の方はまだ私が新人の域を出ない頃の上司。基礎的なことはこの方に教えていただいた、といってもよい。もちろん、実質的なことはすぐ上の先輩にお世話になり、係長に鍛えられたけれど、精神的なことはこの方に教わった。今でも忘れられないのは、次の日のセレモニーの段取りのことを聞かれた時に「これで大丈夫か?」と仰ったものだから、つい「はい、大丈夫だと思います」と答えた。すると、低いけれど、強い声で「君に思うか思わないかと聞いているんじゃないんだ。大丈夫か、大丈夫じゃないかを聞いているんだ」といわれた。すぐさま「大丈夫です!」と言い切った。
 そりゃそうだ。思っているんじゃ、また確かめなくてはならないものなぁ。これで信用して行くんだもの。