ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

鎖国

 27日に秋葉原で「在日特権を許さない市民の会」というグループが日の丸を何本も立ててデモをしているところに「排外主義断固反対」と書いたA4もしくはB4の紙を掲げた男がやってきたな、と思ったら日の丸組がよってたかってその男からその紙を取り上げてひっちゃぶき、挙げ句に杖や日の丸の竿でその男に殴りかかるという事件があったそうだ。どこで見つけたのかわからなくなってしまったけれど、その一部始終をそのグループの一員がビデオに収録しており、それをアップしたものを見た。誇らしげにそれをアップしている感覚がもう既におかしい。鎖国したらそれが理想だと思っているんだろうな。300年ずれている。
 麻生私邸を見物にいった一行が直ちに拘束されていたあの画面と比べると警察の対応のあまりの違いに恐れ入る。
 中にはどんなに抗議行動をしてもどうせマスコミはこれを好意的に取り上げることなどないのだから徹底的に戦闘的にやるぞとまで書いている人もいる。これを放置する公安は一体なんだ。
こちら

 「多文化共生」という言葉、そういう概念を頭から否定するという主張すら存在するという自由奔放なこの国のあり方は多分相当に理想的な文化を育んできているということがいえるだろう。
 これから先のこの国のあり方を考えていく上で必要な議論のひとつに人口が減少し、しかもその中の構成がアンバランスなものとなるであろうという現状から類推できるはなはだ確度の高い近未来像があるけれど、それを踏まえて国連が発した警告や、そこから今後の対策を考え主張する研究者をすら否定して何もせずに外部との交流を絶ち、ひたすら扉を閉め切って行くべきだという主張すらある。つまり鎖国である。
 この国が成り立つようになるにはどんな力を必要としたのか、どのような力によって近代化することができたのか、という歴史的過去をすべて捨て去って原始に戻そう、そして鎖国をしようという主張と解釈できるようなもので、到底広く国民に受け入れられるものとは考えにくいけれど、それが国民の日常的生活を脅かすものとなればそれを自由な文化国家のあり方であるといって看過できなくなるのは当たり前だろう。