ほぼ足りてまだ欲 その先

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六本木

 ここのところ久しく六本木に足を運ばない。夜の六本木なんてもっともっといっていない。今回もいったのは昔だったら六本木という概念の中になかった国立新美術館防衛庁の跡地の、あのおどろおどろしいビルコンセプトの地下でそれほど旨くない回転寿司を食べた。連れ合いが食べていた海鮮丼は旨かったけれど(残りを貰った)、握りは極小のしゃりに薄っぺらいネタで二度と食べたくない。
 なんで国立新美術館にやってきたかといえば今年も入選した友達の絵を日展の会場で見るためだった。一昨年に彼が入選した時にも見に来たけれど、彼のおかげでこの美術館に来られるのは楽しい。以前には洋画・日本画の絵画以外は見なかったのだけれど、今回は工芸も書も見て歩いた。残念ながら彫刻を見る元気までは残っていなかった。
 というのは、日展を見る前に一階でやっていた「The ハプスブルグ」を見てしまったからだ。つい先日テレビでウィーンの旅番組を見たばかりで、その中でハプスブルグ家の足跡を見たから、非常にタイムリーだった。多分こっちは大混雑を呈しているのかと思ったのだけれど、平日だったせいかそれほどでもないが、われわれと同じようなリタイア世代がたくさん来ていたが、その大半はベテランおばさまで、みなさん歴史的な絵画に気をとられていて、周りにあまり気を遣うという余裕がない。見ていると平気で前をふさぐし、あたかもバーゲン会場にいるかの如くぐいぐいと押してこられる。阿修羅像展なんてものはそんなことをいっていられない状況だったんだろうなぁと想像がつく。だからあんまりこの種の展覧会(こんな言葉はあんまり使わなくなったなぁ)には行かない。
 多分当時の権力と財力を握った連中の傲慢さと権威付けの動機がこうした作品を残す力になったのだろうけれど、そうした背景を忘れて今は純粋にアートを見ることができるのは平和だからこそだろう。
 一番の人だかりはウィーン美術史美術館に保管されているという明治天皇が皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に友好のしるしとして贈った画帖とオーストリア国立工芸美術館に保管されているという同時期に贈ったとされる蒔絵棚のコーナーだった。
 TBSがテレビで特別番組を10月に放映したんだそうだけれど、それの再放送がBS-TBSで今月7日と21日の午前3時からあるそうだ。
 国立新美術館では12月14日まで。京都国立博物館では1月6日から3月14日まで。だから来年の春までウィーン美術史美術館とブダペスト国立西洋美術館に行っても日本に来ているものは見られないということだ。