ほぼ足りてまだ欲 その先

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素晴らしい

 来月の国立演芸場中席は例によって「鹿芝居」で出し物は「世話様々浮世死神(よわさまざまうきよのしにがみ)」ってんで落語の「死神」なんだそうな。概ね毎年この鹿芝居は見ている。多分今年もいつものように世之介と菊春が獅子舞を振る舞って祝儀をいただくという奴だ。それにしてもこの出し物でそんなに役割があるんだろうか、なんたって出てくるのはほとんど死神と呪文「テケレッツノパッ」を教えて貰う男のふたりだけじゃねぇかと思ったら、お嬢さんの案配を見てくれろという山崎屋の娘だ、手代だって訳だそうだ。
 で、その切符を買おうと国立劇場チケットセンターに電話した。私は「あぜくら会」にも入っちゃいない。で、切符を頼むと「お名前を」と仰るから名前をいったら「あ、いつもご利用ありがとうございます」とご丁寧に仰る。私の名前なんかを受付の女性が覚えているわけがない。そんなわけはないけれど、そういわれたら誰だっていやな思いはしない。昔はこういう対応をして戴けるのがこうしてわざわざ取り上げるほど珍しいものではなかったような気がする。それとも特にここの日本芸術振興財団だけが年寄りばかりが相手だから気をつけているのだろうか。あるいは、年寄りばかりが電話してくるから面倒なことになることが多いから最初から気をつけているということだろうか。
 近頃聴いたことのない対応で、大層私は感動してしまったのだった。