ほぼ足りてまだ欲 その先

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旅情の念絶ちがたい

 私はどうもなにかに興味を示すと、留まるところを知らない、ということになりやすくて、すぐに覚めやすい。淡々と何十年にもわたって同じことに熱中してなにかを完成するということができない。
 例えば、釣りだって、フライやルアーに目覚めたのはもう30年近く前のことだったけれど、あんなにわぁわぁいってウェイダーまで完璧に揃えたりしていたというのに、15年ほど前にはすっかりだった。それに取って代わって始まったのは海釣りで二週間に一回は潮汐表を見ながら朝5時に家を出ては釣りに行ったものだった。あれは結構持続時間が短くて、引っ越しと同時に終わった。なぜって、環境があまりにも違いすぎたからね。
 ことほど左様にそんなに巧くなりゃしなかったテニスやゴルフにしても、テニスは15年前に手を引き、ゴルフは12-3年前に足を洗った。
 今度は駄もの写真に数年前から手を染めているけれど、それは綺麗な、あるいは粋な構図や、ノイズのない精緻な写真なんてものとは大いに一線を画している。つまりなんだかわかればいい、自分の記録写真といっても良いかも。そしてそれを持って知らないところに死ぬ前に行っておこうというものだ。
 人のことを考え、創造し、慮るという余裕が段々なくなっているような気がする。しかも、自分の欲望としてはほどほどにすればいいのに、どうせなら、という言葉を常に頭につけているような気がする。死んだ後、ざっと私の部屋を見渡した人がたった一言いいそうだ。「ろくなもの、ないなぁ・・・」