ほぼ足りてまだ欲 その先

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死 

 人の死は怖ろしい。なんで怖ろしいのかというと、自分が死後の世界にいったことがなくて、全く未体験だからだ。良く、生体離脱の話なんかを聞いたりするけれど、その人たちは結局あっちに行かなくて、こっちに帰ってきたわけで、いっちゃった人の話じゃない。
 丹波哲郎の映画にしたって、彼はいったことがある訳じゃないし、よしんば彼が知っていたのだとしても、そのまんまをあの映画で再現できていたのかどうかはわからない。だから、なんにもわかっていないのだ。事前の予備知識が全くないというのはこっちではなかなか難しい。なんだかんだと情報が入って来ちゃう。しかし、あっちの話は全く入って来ていない、様に思える。宗教的にはそれぞれの解釈がある。怖い話は輪廻転生で、あの論理だと、人間やっていた奴は往々にして、どんなに達観した人であっても、ノーベル賞を取った人でも、生きとし、生けるものを摂取して来ちゃったんだから次は概ね、這いつくばっている種類だろう。次が今より、グレードアップするのならみんな喜ぶだろうけれど、希望を胸一杯に持って胸を張っていくだろうけれど、人間やってちゃ、どうせ誰も彼もろくなことをやってこなかったということになるだろうから、諦めた方が良い。
 そうなると輪廻転生による死後の世界はいやだなぁ。どれほどの期間になるのか知らないけれど、とにかく、今の記憶が残っているとすると、辛い思いばっかりだものなぁ。今の記憶も全部すっかり、スッカラカンになっちゃうんだったら、もうそれは輪廻転生もヘッタクレもないから、こりゃ通用しないか。
 だから、怖いんだなぁ、死、というものは。
 で、私なんてどう考えても傲慢そのものなんだから、教会の入り口に彫ってある天国と地獄の審判で見ると、真っ裸で打ち震えている方に入っているに決まっている。そう思ってみてみると、どうも自分に似たようなのがいるんだなぁ。
 だから、怖いんだよ、死、というものは。でも、早晩その時期が来ちゃうんだよなぁ。