ほぼ足りてまだ欲 その先

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老眼鏡

 この日本語は随分残酷な名前だ。そもそも「老」という字が入っているものはどうも気に喰わん。老人ホームだっていいやがる。なぁにが「老人」ホームだよ。老朽化という言葉も気にいらねぇなぁ。老いて朽ちてしまうってんだ。
 老いた眼のための眼鏡で老眼鏡だね。もうちょっと気を遣っても良いじゃないか。最近は読書眼鏡と書いたものもある。これは当然英語のreading glassesから来ているね。英語にはsenior glassesといういい方もある。こっちが多分に老眼鏡のニュアンスに近い。
 日本英語だけれど、silverといういい方は結構上手い使い方だと思う。言い古されてしまったけれど、「いぶし銀」なんて言葉を思い出させる。「金」の様にキンキラキンじゃないんだけれど、結構人知れず価値があったりして。
 そのいくつもある老眼鏡の中でもとても気に入っているのがあって、もう10年以上昔に豪州で買ったものなんだけれど、ネジが緩まないこと、つるが深いこと、だから鼻先にずらしやすいこと、というあたりが決め手になっていて一番好きなものである。
 ところがこいつが昨日の夜あたりから見あたらないのである。困ったのである。こっちの奴では代替えが効かないのだ。持って出たはずもないのだけれど。
 さんざん捜した挙げ句に見つかったのはいつもの机の下の暗がりにひっそりと落っこちていたのである。暗いと老眼ではなかなか見えないのが辛い。