ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

 現役で仕事をしていた頃、果たして連れ合いとふたりで旅行なんてしたことがあっただろうか。新婚旅行には間違いなく行ったことは覚えている。その2-3年後の5月の連休に当時暮らしていた清水から各駅停車を乗り継いで長野の飯山まで行き、そこから歩いて斑尾の友達が経営していたペンションに上がったことがある。多分その後二人での旅行というのはなかったような気がする。それから先は休みに出掛けるといえば家族で出掛けた。多分その後二人で出掛けたのは1998年まで待たなくてはならない。
 それは50歳の翌年で、当時所属していた会社ではその何年か前からその歳に二週間のお休みをくれるという制度が始まっていて、心待ちにしていた。ところがその3年前から出向していた会社の上司は「この出向先の会社に骨を埋めるつもりであるならば、その休みは取るな」と一方的に要求した。出向先の会社にはその制度がなかったのである。その時点ではもう既にそろそろ辞めるつもりがあったので「恐れながら」と骨を埋めるのは堅くご辞退して、20年振りの二人の旅に出掛けた。今でもあの時の旅のことはくっきりと覚えている。本当に出て良かった旅だった。ダーウィンとパースでniftyで知り合いになった方にお逢いした。ダーウィンではWar Memorialの展示に驚いた。PerthからAdelaideまではThe Indian Pacificという汽車に乗った。400km続く直線が曲がり始めた時の感動は生まれて初めてのものだった。
 その時のことは忘れられなかったけれど、そこから先はいろいろなことにかまけていたから旅行どころじゃなかった。
 二人で旅に出るようになったのは3年前からだ。これから先、時間はどれほどあるのかわからないけれど、体力的に旅に出ることができるのはそんなに長いようには思えない。できれば今のうちに想い出に残る旅を重ねたいなと思うのだけれど、経済的なこともあるのだから、一体全体、あと何回出掛けることができるのだろうか。
 ほんの十年くらい前はこんなことは考えもしなかった。