その昔に読んだ記憶はあるのだけれど、覚えていないので、平成元年2月17日に神奈川新聞がどんな記事を書いたのか、もう一度読みたかったので、随分久しぶりに国会図書館に行った。最後に行ったのは多分5-6年前のことではないだろうか。
随分システムが変わったので、入る時にちょっとうろたえた。
かつては入場口で手書きでエントリーを書き、なんだか砂鉄みたいなものが入っていたカードを渡され、それで様々な依頼をしたようだったけれど、今は機械を相手にセルフ・エントリーをして機械から情報がインプットされて出てくるICカードでなんでも処理する。
そんなシステムになったから人手が減らせるのかといったら、そんなことはあり得ないわけで、コストからいったらそのソフトの構築とメンテのための費用が余計にかかっている、ということになるんじゃないだろうか。氏名、生年月日、住所、電話番号までデーターとして取られてしまう。ま、尤もこの時点では大嘘を扱いても何ら支障はない。
事前に登録しておくとこれが簡単になるらしいけれど、こっちは入館してから登録しなくちゃならないので、証明できるものを持っていかなくてはならないからその方が嘘はつけない。ただ、他人になりすますことは可能かもしれない。
セルフ・エントリーなんだけれど、当然何をどうして良いのか全くわからない人もいるわけで、その人たちのためのヘルプ要員が二人配置されている。
で、そのICカードが何をするにも必要で、今回私は新聞記事を見に行ったので、新館4階で検索用の端末を動かすのにまでそれが要る。
総じて対応してくれる職員の皆さんは以前に比べて、我慢して対応されているのかもしれないけれど、数段御丁寧で、ざっくばらんで、少なくとも怒ってはおられないけれど(以前は怒られているのかと思った)、本館2階の方々がどうなのかわからない。私が一番むかついたのはあそこの複写依頼窓口だったから。
マイクロ・フィルム・リーダーがわずかに5台しかなくて、それが全部手回し。最後までリールを廻して巻き戻すのがそれはそれは大変。電動でモーターがまわる奴だと壊れやすいという点はあるかもしれないけれど、これは結構手間が掛かる。そしてコピー機につながっているわけではないので、コピーが欲しい時にはわざわざコピー依頼用紙を端末から印刷し、それに手書きで頁を指定する。するとA-3サイズにコピーを取ってくれるのだけれど、これがなんと一部60円(税抜き)もする。20頁印刷したら1,260円もしたのにびっくりした。ただにしろとは云わないけれど、コンビニのコピー代の6倍近くする理由はなんだろう。まさか人件費だ、システム導入費だ、なんてことをいうんじゃないだろうね。はなはだ唐突な比較で恐縮だけれど、豪州New South Wales州立図書館のA3サイズ1枚30セントに較べても2倍以上である。
マイクロ・フィルムも便覧から見つけ出して資料請求して初めてご対面するという管理だから、痛むこともない。それにしてもそれだからこそ、SydneyにあるNSW States Libraryなんかに比べたら遙かに職員の数は多い。それにあちらさんではこうした施設の職員の中にはボランティアが随分いる。
次に朝日新聞の記事検索サービスを使って朝日の古い記事を読み込んだけれど、この端末は無論パソコンで、記事を印刷することも可能なんだけれど、プリント代が怖くて、印刷はしなかった。臆病者である。
しかし、これではただ単にこんな新聞記事を捜したいと思って、来た人でもなかなか簡単にその記事に到達しない人が出てきたとしても不思議ではない。