ほぼ足りてまだ欲 その先

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同級生

 大学の先輩から珍しくメールを貰った。この方のご主人には彼等の結婚パーティー以来お会いしていない。で、そのパーティーが多分35年ほど前のことだったかと思うが場所も時期も何も憶えていない。その会場でばったりと高校一年の時の同級生に出逢った。お互いに、相手が誰かはもちろんわかっているのだけれど、その会場にどうして相手がいるのかが理解できずに一瞬ボ〜ッとした。
 彼は高校の時から山岳部だった。彼等の部活はなんだか重そうなキスリング(当時はそんなものしかない)をしょって校舎の階段を上ったり降りたりしていた。休みの期間にはどこかに登っていたのだろう。こっちはビートルズを追いかけ、VANを追いかけ、女生徒と交換日記なんぞをして軟派そのものだったのだけれど、彼等は私達とは違う世界を追いかけていた。
 彼と先輩の旦那とはどうやら山仲間なのだった。だから、彼はそのパーティーにいた。私はといえば大学のサークルの先輩のパーティーだからいた。まさかそんな具合につながるとは思わなかった。しかし、所詮仲間が違うから、そこから連絡もしなかった。高校のクラス会は殆ど卒業したクラスでしかやらないから彼とは会うこともなかった。同期会というものが一度だけ開かれたことがあるけれど、その時に出逢ったかどうかも記憶にない。
 その先輩からのメールはその高一の時の同級生が一昨日の白馬の雪崩で死んだと報じられたのだというのであった。雪崩事故の件はどこかで見ていたけれど、この時期に雪崩事故は時としてあるもので、別段珍しいと思わなかったから、記事を読むこともなかった。今慌ててネットを捜すと、彼の名前が書いてある。奥さんもご一緒のパーティーだったというが、犠牲者は彼ひとりで、あとから他のパーティーの犠牲者がもうひとり見つかったそうだ。