ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

今更

 枝野官房長官は22日午前の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所事故で始まった立ち入り禁止措置について、高濃度の放射性物質に汚染された場所では「長期にわたって住民に戻っていただくことが困難な地域が生じる可能性は否定できない」と述べ、禁止措置が長期化するとの見通しを公式に示した。
 そのうえで、「大変申し訳ない」と陳謝した。
 枝野氏は、国による土地の買い上げや借り上げなどの措置については、「地元の皆さんと相談しながら固める」と述べ、地元の意向を踏まえて検討を進める考えを示した。これに関連し、菅首相は22日午前、政府の現状認識を説明するため27日に福島県を訪れる考えを明らかにした。首相官邸で記者団に問われ、「そうなるかもしれない」と語った。(2011年8月22日11時47分 読売新聞)

 敢えてもう一度言及したい。今でも放射線汚染を引き起こし続けている福島第一原発による周辺地域、及び風の流れによって影響を受けている地域に人間や動物が戻ってくることができるのはかなり長いこと難しいだろう、いや、はっきりいって不可能であろうことは誰が見る眼にも明らかである。これまでこの事実を口に出して語ろうとしなかった政府にも、そして当の東京電力も大変に無責任で、重大犯罪者としての誹りは免れえないことをはっきりしておきたい。今すぐにでも東電の上層部を業務上過失致死、及び証拠隠蔽で逮捕、起訴するべきであると考える。そして山下某を筆頭としたいわゆる御用学者の諸君は幇助罪で同じように逮捕するべきだろう。
 何が「陳謝した」だと、激しく叱責したい。ましてや代表選に臨んで今でも原発を擁護する発言しかできない民主党のいわゆる代表候補の諸君全員に私はこの国を司る資格なぞないと断言する。
 事態はそんなに悠長な状況ではない。このままでは、福島第一原発周辺部だけが長期間にわたって立ち入ることができないというだけではなくて、あまりにも限定した立ち入り禁止区域の設定のやり方のために、その周辺にいるすべての人びとが大きく放射線汚染の影響をこれから先、数世代にわたって受けることになってしまう。「段階的に」であるとか、「今後増やさずに」などといっている場合ではないのだ。この国は細長い。避難する余裕がない。このままの状態でもう一発大きな事故が起きてしまったら、もう存続することができなくなってしまう。この意味の重大さをはっきりと認識し、共有して考えることが必要だ。
 人は否定的な見解を意図的に回避して暮らしていこうとする。私もこれまでそうしてきた。原子力を平気の平左で動かしてきても、その先の汚染物質の処理方法が確立していないのにもかかわらず知らん顔をしてきた。沿うだろうと思いながらも、大丈夫だといっているんだから大丈夫だろう、と思い込むことにしてきた。しかし、やっぱり大丈夫じゃない。
 それでも「これまで電気を享受してきたのに」、今更否定するのは狡いぞといういい方をする人たちがいる。狡くても良い。こんなことになるのがわかっているのだから、全面的に否定するべきだ。
 しかしながら、一方、大変に申し訳ない気持ちで一杯だけれど、今この期におよんで「戻れないとは思わなかった」という地元の方々の言葉は、一縷の望みを託していたということではあるのだろうけれど、どう考えてもそれはあり得なかったことであり、多分ご自分の心の中でもそうした葛藤が繰り返されていただろうと思う。しかし、騙されてきたことを、そしてまだ騙されようとすることをこの際はっきりと認識して下さることを希望したい。そして、 こんなことを繰り返さない社会を創り出さなくてはならない。人間はなかなか学習することができない。