ほぼ足りてまだ欲 その先

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あまりにもリラックス

 ハンガリーの首都、ブダペシュト(現地の発音通りに書くとこうなる)には教会がずらずらとある。最も有名なイシュトバーン大聖堂に次いで知られている教会はマーチャーシュ教会といって王宮と同じブダ地区の丘の上にある。
 月に一回ここで「教会でコンサート」というものが開かれる。偶々10月が1日で、現地にいたので、e-ticketを買った。
 どんなメニューになっているのかわからなかったのだけれど、ほとんどポピュラーな曲目。とはいえウィーンの楽友協会大ホールで夜な夜な開かれる観光客目当てのものとは違って大騒ぎ大会ではない。
 ところが「教会」という場所だからなのか、ハンガリアンがその辺は適当なのか知らないけれど、神経が行き渡りなさ過ぎて腹が立つ。
 まず入っていくと三つの席に金額で分かれているはずなのに、誰もそれをコントロールしていないし、指示すらない。みんな適当に座っているのではないかと思える。幼児を連れた人がいた。教会の礼拝だったら当たり前だけれど、コンサートでは揉めるだろう。演奏中に入ってくる観客がいた。彼らは人がどんな気持ちがするのかわかっていないに違いない。足音を立てて演奏中に歩く輩がいる。しまいにはなんと携帯電話で話し始めた輩がいたのには驚いた。
 で、最後はこれ。二人の若い女性ヴァイオリニストが出てきてビヴァルディを弾いた。すると、中央の通路におっさんがビデオを回しながら立ち尽くしている。奴はついに彼女たちの演奏を三曲すべてに渡って録画したのだった。多分二人の父親か、旦那かに違いない。しかし、それにしてもだ。そりゃ間違っている。