ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

賢明なる先達者の意見

(前略)
 原発廃止論の論拠なるものの多くの部分が放射線への恐怖というセンチメントに発していることの危うさだ。恐怖は何よりも強いセンチメントだろうが、しかしそれに駆られて文明を支える要因の原発を否定してしまうのは軽率を超えて危険な話だ。軽量の放射能に長期に晒(さら)される経験は人類にとって未曽有のものだけに、かつての原爆被爆のトラウマを背負って倍加される恐怖は頷けるが、しかしこうした際にこそ人間として備えた理性でものごとを判断する必要があろうに。理性的判断とはものごとを複合的に捉えてということだ。
(中略)
 ある期間を想定しその間我々がいかなる生活水準を求めるのか、それを保証するエネルギーを複合的にいかに担保するのかを斟酌計量もせずに、平和の内での豊穣な生活を求めながら、かつての原爆体験を背に原子力そのものを否定することがさながらある種の理念を実現するようなセンチメンタルな錯覚は結果として己の首を絞めることにもなりかねない。
(中略)
 人間だけが持つ英知の所産である原子力の活用を一度の事故で否定するのは、一見理念的なことに見えるが実はひ弱なセンチメントに駆られた野蛮な行為でしかありはしない。
(後略)
msn産経ニュース「日本よ」2012.2.6 03:11)


 東京都知事たる、元不良小説家が2月3日に「たちあがれ日本」の全国拡大支部長会議の席で蕩々とぶった演説を、広報機関の一つである産経新聞が「日本よ」というコラムで取り上げたほぼ全文と思われる記事から抜粋した。
 彼は残念ながら事実を事実として捉えるという基本的なところで大きな過ちを犯しているのだということがこの演説で図らずも明白になってしまったようだ。彼の周囲にいて彼を担ぐ人たちに共通に見られる傾向といっても良いかも知れない。

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