ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

  • 「幻の塔 ハウスキーパー熊沢光子の場合」山下智恵子著 1985.11.15 BOC出版部

 BOCとは(BANK OF CREATIVITY)のことだと「1960年、安保の挫折の反省のなかから生まれた〈あごら〉」のHPに書かれている。
 事件は昭和10年の話で、地下に潜った共産党の活動に官憲からのスパイが幹部として入り込み、その男とともに暮らすことになった挙げ句の果てに、官憲に踏み込まれて逮捕され、獄中で自死した山下智恵子熊沢光子(間違いました、ご指摘深謝)。
 twitterでひょんなことからこの本をご紹介くださった方がおられて、図書館で探した。
 ハウスキーパーといったら、本来的な意味は「家政婦」さん、つまり当時の言葉で言えば女中ってことになる。ところがここで使われている「ハウスキーパー」は特有の意味を持つ。昭和8年頃をピークに共産党活動家の中に厳として存在していたといわれている。著者は女性の人権という観点からこの存在をつまびらかにしている。