クラッシックの音楽なんて退屈そのもので、テレビのそんな時間は無駄だと思っていたし、かつてのNHK-FMがクラッシック音楽ばっかりだったのが、何でなのかいっこうに理解ができなかった。「一体どこが面白いんだよ」と言い放っていたものだ。しかし、きっかけはやっぱり現場だったね。
折角ウィーンに行くんだから何か面白いものを聞きたいなぁと思っていた。たまたま切符が手に入ったVolksoperでの「ウィーン気質」がとっても面白くて、何しろ生の音というのが実に良かった。しかも奮発して席を前から数列のど真ん中を買っていたのが良かったのだろう。
それから先は階段をえっちらおっちら上がるのが習性となるような上の方のそれも前の端っこで今にも落っこちそうなところばかりだけれど、何しろ最初の前のど真ん中の経験があるからこそ楽しめてきたんだろうと思う。
それでも、オペラなんて数限りなく作品があるんだし、言葉は外国語ばかりだし、いかんせんタイトルだってなんだかわからないし、時代背景は考えなきゃならんし、作曲者がどんな背景を抱えているのかも知っているといないでは違いがあったりするし、その上、歌い手が今どうなのかも知らないと観劇が違うし、もちろん指揮者がどんな実力者なのかとか、ディレクターは何を考えてこんな事に演出したんだろうかという話題になるし・・・もうついて行けない。疲れちゃうのだ。