ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

4月の再放送

 今朝のNHK3チャンネル(近頃はEテレなんぞと称しているらしい)の「日曜美術館」はなぜか4月に放送した「グスタフ・クリムト」の再放送で、解説が横尾忠則だ。横尾も既に75歳となって、あの頃の新進気鋭のアーティストも目の下にたるみができてすっかり爺さんになったなぁと思って見ていたらさにあらず。なんとかさんの肖像のこの手を見よと指摘。この手はただ単にこんなことになっているのではなくて、これは男の一部を握っているのであると解説するのである。NHKの女性アナウンサー、千住明も「うわっ!」とは反応しないで、じっと静かに反応するところがNHKNHKたる所以であろうか。
 クリムトはたくさんの女性の裸体を描いているというのだけれど、そのデッサンの一部を映し出すが、これはNHKとしてはかなりの決断だったのではないだろうか。しかし、これではクリムトはよいけれど、空山基ではいけないということにはなり得ないではないか。NHKクリムト生誕150周年のごく普通の番組を作ったという意識かも知れないし、視聴者もそうとって平然としているのかも知れないけれど、この番組はある意味では非常にエポック・メイキングだといっても良いのかも知れない。
 そもそもクリムトを取り上げること自体がどうしたってチャレンジャブルにならざるをえないのでもあるし、それがクリムトの何年も先まで見るものを悩ませるという意図にすっかりはまり込んでしまったということだろう。
 それにしてもヒトラーナチスウィーン大学の天井画を永遠に消滅させたことがクリムトをより際立たせることになったといっても良い。全体主義者の大馬鹿野郎である。橋下徹石原慎太郎が言っていることが如何に間違っているか、歴史を見れば一目瞭然にも拘わらず、人間は無精を決め込んで学習をしない。