ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

今更だけど

 午後から、先輩のところへ、先月亡くなったお母さんにお線香を上げにいった。もう90歳に近く、認知症傾向にあった。ある日突然倒れ、病院に担ぎ込んでみると脳梗塞を起こしていて、内蔵にも問題が見つかり、時間の問題といわれたけれど、経管栄養で病院でもっていたけれど、退院してきて少しずつ身体機能が低下していったそうだ。
 先輩は一人暮らしとなった。その家には40年以上前にみんなで遊びにいったことがあった。あれが確か新築祝いだった。すっかり家もガタが来ていた。
 帰りに新松戸から千代田線に乗った。隣の馬橋から女子高生が二人乗ってきた。グレーのブレザーの下には定番の指先が隠れるような白いカーディガン。チェックのプリーツスカートはたくし上げてあって超短い。ちょっと前だったらダブダブの白いハイソックスでも穿いていそうだ。
 その二人は座るやいなや鞄から化粧品道具一式の入ったビニール袋を取り出し、二人でそれを共用して化粧が始まる。何度もそうしているんだろうと思われる手際で、着け睫毛もつけ、まぶたを貼り付けて二重にして、目張りを入れて、まるでうちの娘が追いかけているビジュアル系のバンドのような化粧だ。だから、まぁ、人のことは云えないのだけれど、こっちはまだ高校生、あっちはもう30歳。
 向かいの席には中学生から60近い人まで男ばかりが座っており、みんなしてあんぐりと見たり見なかったりする。
 気の毒なことに、化粧をすればするほど醜く、不潔な雰囲気を醸し出す。多分二人の狙いもそこにあるんだろうなぁ。
 この世の中はどんどんろくでもない方向に進んでいく。