ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

「レ・ミゼラブル」

 見た。長いぞと聞いていたので、大丈夫かなぁと不安だった。なにがって、トイレが、である。こんな歳になるとそういうのが気になるのだ。若い時には考えたこともなかったことだ。14:30から始まる回の切符をネットで買った。15分くらい前に到着して準備万端整えて席に座ると、長い長い予告編があって、ようやく本編が始まったのは15時くらいだった。終わったのが17:30くらいだったので、都合2時間半くらいかと思ったら、正確には158分なんだそうである。
 「ジャン・バルジャン」といえば「あゝ、無情」だ。確か私たちの世代は学校の国語の本かなんかで読んだのではなかったか。教会から銀器を盗み出したのに牧師が「いや、差し上げたのですよ」といったことから様々なことが始まるのだったけれど、最後の盛り上がりはさすがにこれだけロング・ランを続けたミュージカルがベースになっているだけのことはある。通称「レミゼ」を私はこれまで見たことがなかった。
 この話は概略知っているはずなのに、「Who am I」という言葉がいつまでも響き続ける。これは相当に胸に迫る。ほんとに考えちゃう。一体今ここでこうして暖かい格好して、暖かい大きな劇場のゆったりした椅子に座って自分は苦しくなくて、臭くなくて、汚くなくて、人から必死になって逃げることもなく、人を必死になって救うでもなく、ただ、ノンベンダラリとしていることを考えると、いつまでも響き続けちゃうのである。

 映画にいく前に京橋の「京すし」で昼ご飯を食べて来たっつうのに。あそこももうあと9日間で店じまいだ。これまで手が出なかったランチ握りの最上を発注した。心置きなく。