京橋西二丁目の再開発に伴って行きつけだった(とはいえ主に昼飯だけ)鮨屋が閉店することになって、その最終日は多くの人たちがあつまったという。私はというと鼻水を垂らして家の机に向き合ってズルズルしていた。「もう一杯だよ」といわれていたから押しかける気もなかったのだけれど、多分本当のファンという人たちはそんな日でも押しかけるんだろうなぁ。
で、旦那のお友達が案内を受けて、昨日の晩に集まった。午後5時からだと聞いていたのでちょっと前に到着してみると、なにやら店の前に人だかりがしている。何事かと思って近寄ってみると、店の扉に「4:55開場。並んでお待ち下さい。」と貼ってある。みんなが良く黙って外にいるなぁと思ったら、なんと鍵までかってある。
全員で20人ほどの老若男女が店にぎっしり。放送局のアナウンサーの乾杯で宴会の幕があいたものの、酒は各種取りそろっているが鮨屋のカウンターで鶏の唐揚げ、ポテサラってのも如何なものかという風情だったのだけれど、刺身盛りが出てきたあたりで、おっ!こりゃうめぇなぁと〆鯖、鮑、鮪に舌鼓を打つ。
焼き物をあの皿もこの器もじゃんけん大会で次々にそれぞれの荷物にしまい込まれ、挙げ句の果てに店の名入りのチラシのお重までその俎上にあがる。そのあたりから店に飾ってある店主の絵までじゃんけん大会の景品に。とうとう店の正面の壁に掛けてあった大判の絵まで提供されちまった。
そして最後に大盤振る舞いの鮨がでて、最後の握りを味わった。
四代続いた店もお疲れ様の泣き笑い宴会で幕が下りた。問題はこれから私が行く鮨屋を探さなくてはならないことだ。なにしろ地元の鮨屋に入ったことがないのだから。