ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

移民政策

 シンガポール華文紙の聨合早報によると、元シンガポールの首相だった李光耀リー・クアンユー)氏がスタンダード・チャータード銀行主催のフォーラムで「国には人が必要だ。若者が経済を動かせるようにし、製品やおいしい食べ物を買えるようにしなければならない。日本のように移民を拒否すれば国は亡びる。そうなる前に日本は政策を変えるだろう」と語ったと報じられている。
 日本はこれから先、人口の高齢化がどんどん進み、人口は減少するだけでなくて、労働者人口の割合がどんどん低下していくだろうということは国内でも報じられている。
 ではどうするのか、という点についてはいっこうに霞ヶ関と永田町が先を見通した対策に邁進しているようにはとても見えていない。
 ただただ、手をこまねいているように思える。例えばこの象徴とも思える外国人による介護労働への導入はいっこうに解決の目処が立たない。日本人の介護労働従事者に対しては資格を要求することは諦めたようだけれど、インドネシアを中心とした介護労働従事希望者に対しては規定年数以内に介護福祉士の資格を取らないと滞在をそれ以上許可しないとし、挙げ句の果てに介護福祉士資格試験ではようやく漢字にルビを振るということにした程度でしかない。
 他の国ではどうしているのかといったらどんどん東南アジアから介護労働従事者を受け入れている。ましてや、カナダ等ではそうした仕事に従事する人たちは一定年数を経過したら永住権が取れる。それなら、閉鎖的な日本よりはそっちに行こうとするだろう。
 ましてや「研修」だなんてことにしてアジア人労働者を買いたたいて入れるだなんて、時代錯誤も良いところだ。挙げ句の果てに外国人排斥運動が跋扈しているこんな国は愛想を尽かされても文句もいえない。
 それでも頑なに「規制」を残し、排除をまず第一に考えるのであれば、リ・クアンユー氏がいうようにどんどん低迷していくしかない。
 それはそれで一つの行き方かも知れない。資産のあるものだけがどうにか始末をつけることができ、そうでない一般の人々は苦しい状況の中で堪え忍ぶという将来が待っているというだけだ。それは政治のない社会と何も変わらない。それだったら税金を取られている分だけ理不尽というものだ。
 宗主国の植民地政策の先手としての政策の実施だけを後生大事に守り続ける傀儡政権を私たちは本当に必要としているのだろうか。