ほぼ足りてまだ欲 その先

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性善説

 日本の国はあたかも性善説で成り立っている国であるように見られる。なにしろ何でも緩和するというのはそういうことだろう。人が悪さをすることが分かっているから、きちんと規制をしないと何をするのか分からないという危機感があったからこそそうした規制があったのにもかかわらず、その規制を緩和していくというのはそこに大きな価値観の転換が図られた、ということだろう。
 大幅な金融緩和を図るということは、みんなが金を動かすことによって儲けることを奨励するということで、人間は本来的に金の亡者であってはならんといういましめを大幅に解いて、金の亡者こそこの世の勝者である、と宣言するということなんだろう。そのために、市場も大幅に開放して、誰がどんなことをしても良い、という無管理、無規制の状態に持って行っても大丈夫だという読みを政府自身がしているということになる。
 大企業の経営者諸君も悪いことなんてするわけがなくて、まけて貰った法人税も隠すことなくしっかりと収めるわけだし、労働力を提供している人たちにもちゃんと同じだけの分け前を分配して懐に貯めたりなんてしないだろう。ましてや時間で切り売りさせて社会保険料や福利厚生分を浮かそうだなんて考える経営者なんていないから、労働者派遣法をいくらフリーにしたって問題が出ることもない。
 こうして新市場主義という思想によってこの国は本当にこの国に骨を埋めたいという国になっていくわけだ。みんな根っからのお人好しだから、性善説で成り立っているわけなんだろう。
 それにしても質屋の金利があんなに高いってのを良くもまぁ見つけてきて質屋を偽装するというのは凄いなぁ、と思ったんだけれど、結局あれって「偽装」なんだよね。
 この国の年金制度は百年持つといった大嘘つきがいたけれど、こんな程度の年金が功を奏していると思っている国民レベルってどうなんだろうか。性善説だからね、なにしろ。