ほぼ足りてまだ欲 その先

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かっさらい

 総務省労働力調査によると、昨年の非正規で働く人の数は1906万人。10年前より約400万人増えた。雇用者に占める割合は36.6%に達する。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、非正規の月額賃金は19万5300円で正社員より約12万円少ない。(朝日新聞デジタル2014年2月23日05時00分)

 男性が1.4ポイント上昇の21.1%、女性が1.3ポイント上昇の55.8%(弁護士ドットコム トピックス2014年02月22日 12時47分)

 政府の統計だから多分これでも、実際の数字に比べたら非正規の数は少なめに出ていることだろう。ニチレイ系の冷凍食品工場でおきた農薬混入事件の容疑者も非正規だった。いや、だからこの犯罪が認められるというわけではないのはもちろんだ。
 しかし、こうした歪みがあるところにはどうしても穏やかならざる事件が発生する。しかし、それは直ぐに処理されて何もなかったかのような「平穏」で覆い隠されていく。中国人の「検収・実習生」が犯した殺人事件もその時は一瞬話題にはなったけれど、直ぐ誰もそれを口にしなくなった。
 こういう事実をとりあげても面白くない。楽しくない。落ち込むだけだろう。しかし、それが現実だ。
 しかし、不思議なのはこうした現実がありながら、そうした立場の存在を容認するこのムードをみなが知らんぷりする事実だ。見いない振りをして通り過ぎるのも人生であり、ほぼすべてを諦めて、ないよりはちょっとでもある方が良いという状況に埋没する人生を送る人で成り立つ社会を容認するのも人生だということか。
 こういう労働環境を容認するのが「経済の発展が社会を支える」というウソをいつまでも信じる誤りだろう。
 とうとう武器になる類の商品だって外国に売りつけてまで儲ける節操のなさまで容認して、われわれはこの70年間堅く心に誓ってきた人間の尊厳を簡単に捨てようとしている。自国民を踏みつけ、騙して、嘘をついて「成長」することが理想なんだとしている。これを正当化する連中の術中にはまって良いわけがないのだ。