今日は風が強くて、細く開けた窓が「ビュービュー」と音を立てる。この音を聞くと思い出す場面が二つある。
ひとつはずっと以前にもここに書いたけれど、まだ小学生低学年の頃、春先の土曜日。半ドンの学校から帰るとひとりで、エクレアパン(エクレアのようだけれど、チョコがかかっているのはパン)を食べてシーンとした家の中で風の音だけが響いていた。
もうひとつは春先の砂嵐で仕事がストップして、掘っ立て小屋の中に避難しているしかないのだけれど、やることもなく、本を広げていて寝てしまいふと目が醒めた時に風の音が響いていた北アフリカの砂漠の現場だ。