ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

伽羅先代萩

 いただいた切符で国立劇場の「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」を三階へ見に行った。随分久しぶりに国立劇場で、裏の演芸場は随分行ったけれど、こっちはまだ数回じゃないかと思う。ここはエレベーターがあって、すっと上がっちまえばとても楽だ。比較するとやっぱり歌舞伎座の舞台の横幅はとんでもなく長い。記録によると27.573mあるという(この端数はいったい何だ?)国立劇場の大ホールは約22mと書いてある。5mも長いと凄いなぁ。
 なんでまた伽羅と書いてこれを「めいぼく」と読ませるんだって話だが、伽羅って木はそれはそれは香りが高く、昔から高い高い木でございますよねぇ。それをお殿様が木履にして履いていたってんです。で、それ位のお洒落で浪費家の殿様が郭の太夫に狂って、毎夜毎夜のお遊び三昧。とうとう、蟄居を命ぜられて、家督を2歳の子どもに譲ることになっちまう。それを狙って仁木弾正の一派がその2歳の暗殺を狙うっちゅうわけ。
 それにしても、坂田富十郎扇雀の親子が同じ役を前半、後半で演じ分けるってぇ企画は如何なものかなぁ。どうしたって扇雀の方が力があって、台詞も通って、てぇことだからねぇ。お父さん、もう82歳。息子は53歳、脂ののりきったところだからねぇ。それにしても確かこの親子は過去に女遊びの浮き名を流して居直ってたっけなぁ。そういえば舞台ですっかり中村玉緒の顔になっちゃうんだよねぇ。なんせ相手の悪役、八汐(うちの高校の名前じゃねぇか)が中村翫雀が55歳だからねぇ、「竹の間」のあの勢いだったら扇雀じゃなくちゃかなわない、だから後半がとっつぁんなのか。
 それにしてもこの芝居は鶴千代と千松の子役に持ってかれちゃうんだよなぁ。
 橋之助の仁木弾正が、まぁ、悪い、悪い。評定で負けて連れてかれちゃうのに場が変わると刃物振り回しているってのが理解できないんだけれど、歌舞伎にそんなものを要求しちゃダメです。
 今月は通しで、毎日12時開演のところ、10日と12日だけ16時開演。

追記

 かつてジャズカンで良く逢った青年は今や常務取締役になっているというのを知って驚愕した。尤もそんなことをいうと、あっちの映画の彼なんぞは社長だ。