テレビを見ていたら、豪華列車の旅の乗客が「結婚25周年だから」と嬉しそうだった。そういえばうちって25周年ってどうしたんだっけ?と聞いたら、グルッと旅行したんだよといわれて、お〜!そうだったと思い出した。今はなき、当時働いていた会社では、流行だったものだから50歳リフレッシュ休暇なんてものがあって、2週間の休暇をくれた。ぼぉ〜ッとしているんじゃつまらないから旅行に行った。
しかし、この旅行には悲しい前振りがあった。当時私は出先に出向したことになっていて、実際の仕事は所属元の役割だったのだけれど、その出向先にはこのリフレッシュ休暇制度がなかった。私がこの休暇の話を出したら、上司が「君はこの出先に骨を埋めるつもりがあるんだったら、彼らの心情を慮って休暇申請を取り下げろ」といってきた。一瞬考えたのだけれど、その人とその後もこの仕事を続けるんだったら願い下げだなと思っていたので、「いや、取ります!」といってものの見事に2週間休んだ。ま、いってみれば宣戦布告だったね。で、結局翌年会社を辞めるのだから、覚悟ができていたといっても良かった。
あの一言がなかったら違った人生を歩んでいたかもしれないけれど、自分の保身のために他人を陥れるような倫理観で成り立つ職場が我慢できなかった。実に処世術が下手だった。あそこで巧くすり抜けていたら、と思わないでもないけれど、自分にはこれしきゃできなかったと居直るしきゃない。「ヨイショひとつで良いのにねぇ」といわれると、そうだったかもしれないなぁと思わないでもないんだけれどねぇ。