さて、どこへ行こうかと迷いながら地下鉄の駅まで歩く間、今日は暖かくなるんだからといって、パッチも脱いで、マフラーも手袋も家においてきたことを後悔した。寒いんです、風が。雨は上がっていたものの、妙に寒くて、ポケットに手を突っ込んでわしわしと歩き、咲き始めた沈丁花の匂いをひくひくと嗅ぎながら行く。何回この花に遭遇しても良い匂いだ。
まず千円床屋にいって刈ってもらう。平日だと65歳以上は千円。もはや「年齢のわかるものをお見せ下さい」とはいわれない。国立の施設じゃないからね。
そういえば、セブンイレブンでたばこを買うと「年齢確認の画面にタッチして下さい」といわれたといって、梅沢富美男が「どこをどう見たら未成年に見えるんだ!」と怒ったという話を思い出した。そりゃいわれる方は「おまえは爺だ、爺だ!」といわれるような気がするんだよね。しかし、向こうは未成年者に売ったら怒られるから儀式を行う。死んだ永六輔が某都立公園で「シニアを一枚」といったら年齢を証明するものがないから売らないといわれて怒ったという話に似ている。
この寒い風が吹く中で6mmのバリカンで刈り込むのは結構寒々しい。その時点でそろそろ昼飯時になっていて、さぁ、どこで昼飯を食おうかなぁと、迷っていた。ゆで太郎か富士そばで天ぷら饂飩+半親子丼くらいかなぁと思って歩き出した。そこで端と思い出した。松坂屋上野店地下にダイニング・インがあって、そこで井泉の一口ひれカツ丼を食べたことがあった。三越前までいってコレドの地下にあるとんかつの寿々木のひれカツ丼を食べたかったのだけれど、あそこまで行くと正午を回ってしまいそうだ。だから、そこにした。食券だ。先客二人。後から二人。千円だった。寿々木は950円。中身といい、寿々木の勝ちだ。やっぱり時間を合わせて、次回は寿々木だ。
銀座で用事を済ませ、ビックカメラでSDカードを買おうといってみたが、あまりにも種類がありすぎて、どうして良いかわからず帰ってきた。パンを買うのを忘れ、そうだ!東京駅の大丸の地下にPAULがあったはずだと向かう。
ブックセンターの前で外国人の男性が二人、ガイドブックを開けてあっちだ、こっちだとやっている。どこを探しているの?って聞いたら東京駅はどこ?って聴くんだ。ブックセンターって、八重洲南口なんだから、その通りの向こうのあれが東京駅だよ!といったら、えっ、あれなの!って。そうか、そういわれてみると、どう見ても駅に見えないわけだ。昔はこっちから新幹線が出入りするのが見えていたけれど、今や見えないもの。その上、東京駅の表示は全然目立たないし、大きく書かれているのは漢字だしね。
八重洲地下街から大丸の地下へそのまま入ったけれど、もはやPAULの影もない。高いパン屋さんが二軒。なぜかバタールが見つからないから、何にしようかと迷っていると大きな男が二人で、目の前を遮ってパンの写真を撮る。なんだ、こいつら!ずいぶん失礼な奴だな!とむかついたら、外国の人たちだった。多分お国ではそういうことをしても別に何とも誰も思わないんだろう。文化が違っているからしょうがないのかもしれないけれど、不愉快だったら不愉快といってあげた方が良いのかなぁ。
丸善に、買う本もないのに、入って通り過ぎた。
とうとう決断したカメラが届く。やたらとでかくて、ちょっと困惑。これじゃ、単なるコンデジではなくて、まるで一眼レフのようだ。
7,988歩