ほぼ足りてまだ欲 その先

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映画

 テレビで映画「Truth(邦題・ニュースの真相」を見た。昨年公開されたときに見たいなと思っていた映画だった。2004年のアメリカで実際に起こった、「CBS News」の「60 minuites」のスクープ報道が広げた波紋の一部始終。主演はケイト・ブランシェットロバート・レッドフォードケイト・ブランシェットって、どこかで見た女優だよなぁと思ったら「ブルー・ジャスミン」じゃないか。全く印象の異なる役柄で、一瞬思い出せなかった。そうそう、彼女はメルボルン出身だよねぇ。だから豪/米合作つうことになっているのかな?
 Daniel Irvin "Dan" Rather Jr.役のロバート・レッドフォードはこの役にぴったりなお爺さんになっていた。ウォルター・クロンカイトの後任としてCBSニュースのアンカーだった彼はこの事件で降板させられた。最後の番組のあと周りのスタッフが拍手をする場面がラストシーンだけれど、あの周囲の人たちのにこにこ顔はどう解釈すればいいのだろう。
 情報提供者の妻がテレビ局スタッフを鋭く追求するところは実に考えさせる。日本のテレビは先を争って虐殺事件の被害者の実名と顔写真を平気で堂々とさらし続けたことをそのまま批評しているといっても良いなぁと思ってみていた。
 それにしても米国の、それもハリウッドがこの種類の映画をすべて登場人物を実名でドラマ仕立てにするのには毎回驚かされる。日本では映画会社、例えば東宝がこの種の作品を実名を使って作るかといったら、全くあり得ない話で、まず実名を使うなんてあり得ないし、新中央テレビみたいなまったく空々しい企業名にしてしまうだけじゃなくて、そもそも時の政権をまともに批判する作品なんて社内で全く論じられないだろう。ま、その程度の腰抜けだ。だから百田尚樹の原作の映画かなんてやる。どうせだったら銀座で遊びまくっていたあの経営者の実名のままやってみたら良い。そんな根性はないさ。