金融庁の諮問機関、金融審議会 市場ワーキング・グループが提言した報告書 「高齢社会における資産形成・管理」は今でも令和元年6月3日付けとして金融庁のホームページにアップされていて、誰でも読むことができるし、ダウンロードすることができる(こちら)。いくら麻生太郎"国民生活なんか知るものか"元総理大臣が「受け取らない」といおうが、自民党の国会対策委員長が「ないんですから」といおうが、二階"もういい加減に止めろ"幹事長が「選挙が近いのに、時期をわきまえろ」といおうが厳然とアップされているのは、役人の意地ってものかとも思う。
とはいえ、このWGが一体何を云っているのかといったら、国民に対して「良いか!年金なんてアテになんかならないんだぞ、しっかり自分で財産を形成しろ、そのためにはNISAだ!どんどん投資信託買ってちょんまげ!」といっているに過ぎない。つまり、自公維政権は「投資信託やれ!」といって業界に媚びて作り出したシステムを自分で否定する結果となってしまった。
じゃ、どうするのかということになるけれど、自公維は「知らない」といっているのだ。年金は百年大丈夫だったンじゃないのか?と問えば、「そうさ、国民年金だけだったら毎月5.5万円くらいしか出ない、というレベルで大丈夫だったんだよ、今更いうなよ、そんなもんだってみんな知っていたじゃないか!」と居直ることもできる。
しかし、それすらここで否定したことになる。一体全体自民党は何をどうしたいのか、ここでちゃんと提示できないんだったら、政権与党を降りなくてはならない。
税負担の中には応能負担という考え方がある。それだけの能力のある人が多くを負担して下さい、そういう能力のない人たちだって、日々の生活の中でそれなりに負担して下さい、という考え方といったら良いのだろうか。それが本来的な高福祉国家のあり方だろう。
しかし、今の政権はその正反対の税制度を施行してきた。大企業への負担要求をできるだけ下げ、贅沢消費をする人たちもそうでない人たちも消費に対する税負担を一律にしてしまった。これでは国民の多くの割合を占める低所得層の消費生活を著しく妨害することになる。
一方多くの低所得者層の低減を図るにはどうしたら良いのか、といったらそれは労働賃金を底上げするしかない。これってよく考えると、どこかで聞いたような政策だったような気がする。所得倍増論とか、いう決めぜりふがあったような気がする。となるとまたあの辺からのリピートをやるしかないのだろうか。
このグループにはもはや政権担当能力が著しく欠落しているというほかない。あまりにも人間的な視点に基づく能力を欠いている。