谷中のお屋敷街の一角になんでか知りませんが「赤字坂」という坂がございます。縁のありそうな石垣が立つ角地が多分かつては広大なお屋敷だったのかも知れませんが、今はいくつかに分割された状態です。それでも石垣の雰囲気は残っております。その真ん中辺の土地をどこかのデベロッパーが買い取ったらしく、谷中の規制によって多層階にはできそうもないですが、集合住宅が建つようです。周辺に住民の皆さんは一気に雰囲気が変わってしまうことに反対されていたのです。
さて、あそこはどうなっただろうかと思って通りかかってみたら・・ものの見事に土工事が始まっていました。
日本のデベロッパーというか、不動産開発業者は土地を自分のものにしたら、それっきり、自分の好き勝手にして売り飛ばします。それは全く情けも容赦もありません。それをどうして行政は高邁な思想を持ってリードするという立場に立たないのか、不思議でしょうがない。
今や神宮の森も、大規模再開発という大号令で、1000本からなる樹齢の重なる木々を伐採するんだと云われています。恥というものを知りません。自分が儲かれば、あとがどうなろうとかまやしないのです。だから、資本主義というものは、正しい人間の知恵ではないんじゃないかという疑問はいつまでも解消されません。
