人間爆弾「桜花」の話はもちろん知ってはいるが、これには驚いた。そういえば、かつて「桜花」に乗るはずだったという人が、1960年頃にうちに出入りしていたことがあるが、あれはほんとうの話だったのだろうか。それにしても残酷な武器を次から次によく思いついたものだと思うけれど、人がその都度犠牲になる武器なんだから、こんな事になった時点でもはや負けは必至で、普通だったらそこで降参である。降参しないことが美化されるような文化は元々とんでもないのであって、「尊い犠牲となった御霊」なんぞという美辞麗句は誠に人をバカにした行ないであることがよく分かる。「もう一泡吹かせて、というわけにはいかないのか」といった人間の責任は非常に重い。
