ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

流星

 昨日の流星は随分話題になったなぁ。寒いのに、わざわざ夜中に散歩に出た人までいたよ。それで思い出したんだけれど、11年前、やっぱりこの流星の時期に私は学校の宿題に頭を悩ましていて、夜中になってもまだ終わらずにいた。ネット上で友達が「見えたか?」と聞いてくる。気になってしょうがない。窓際の机で宿題をやりながらちらちら寒い夜空を見上げていた。見えたのだったか、見えなかったのだったか、全然記憶がない。覚えているのは苦しめられていた宿題のことだ。

「今の若い奴」

 われわれ老人が良く云いそうな「今の若い連中は」という十把一絡げないい方で一括りにされるのは不愉快だ、というのであればそういえばいいわけで、それを面倒くさいいい方で非難しようとするからこんなことになるんだよ。
 何日か前にtwitter集英社インターナショナルtwitterが《戦後の犯罪統計を見ると、もっとも殺人を犯す比率の高いのは──これは言いたくなかったけれど、団塊の世代なのです。それを棚に上げて「今どきの子どもは」と言う》と書いたと記した。
 その経緯をここにまとめてみる。始まりは集英社インターナショナル(SI)の書き込みに私が気がついたところから。

  • <SI>今日の内田樹さんのエッセイにもありましたが、実際のところ、凶悪犯罪はどんどん減っている。戦後の犯罪統計を見ると、もっとも殺人を犯す比率の高いのは──これは言いたくなかったけれど、団塊の世代なのです。それを棚に上げて「今どきの子どもは」と言う。 Sat Dec 11 01:31:39 2010 HootSuiteから
  • <nsw2072>もしよろしければ、具体的にこのデーターの出典はどこにあるのか、ご教示戴けませんか? RT @Shueisha_int 戦後の犯罪統計を見ると、もっとも殺人を犯す比率の高いのは──これは言いたくなかったけれど、団塊の世代なのです。 1:58 AM Dec 11th Echofonから Shueisha_int宛
  • <SI>今、すぐに資料は出てこないですが「犯罪発生率 世代」でGoogle検索をすると、いろいろと関係するデータが出てきます。 Sat Dec 11 02:02:18 2010 HootSuiteから nsw2072宛
  • <SI>Wikipediaの少年犯罪の項、「少年の凶悪犯罪の件数」のところでその考察がありました。 http://ow.ly/3neT5 Sat Dec 11 02:06:06 2010 HootSuiteから nsw2072宛

 私がエヴィデンスはなんだ、と聴いたらさすがに出版社、それも親会社の小学館をしのぐかと思われる集英社の系列会社の社員だけあって打てば響く反応だ。さぞかし偏差値の高い学校を卒業した選りすぐりの人に違いないと思った。この手の企業の社員の私の知り合いはみんな頭が切れる。
 しかし、ここでもう既に午前2時を過ぎていたし、あったこともない人と議論をするのも面倒だったから、そのあとは私は直接レスポンスする格好ではなくて、ひとりつぶやきの格好で、こう書いた。

  • <nsw2072>「少年殺人」どうやら少年殺人犯検挙数が多かったのが終戦直後から高度経済成長安定までの27年間で1925-59年生まれが対象になる。ここから団塊の世代が「もっとも殺人を犯す比率の高い世代」と導くのには若干の無理があり、むしろ時代背景を考える必要がある。(続く) 3:36 AM Dec 11th Echofonから
  • <nsw2072>「少年殺人」(続き)殺人に限らず殆どすべての犯罪が同じ期間にその発生件数がピークを持っていることから見て、やはり時代背景の影響は大きいと考えることができる。ただし、強盗犯罪はバブル崩壊以降小さな山ができている。(続く) Sat Dec 11 03:36:17 2010 Echofonから
  • <nsw2072>「少年殺人」(続き)戦後の混乱期に較べたら現在の、少年による凶悪犯罪犯検挙数が大幅に減少していることは事実である。しかし、「団塊の世代がもっとも殺人を犯す比率の高い世代」という解釈は誤解を招く結果となるだろう。 Sat Dec 11 03:36:25 2010 Echofonから

 このまま終わりにしようかと思ったんだけれど、今日になって、ふと思い立ったので、書き続けた。

  • <nsw2072>古いレスポンスで恐縮ですが、このデーターから「団塊の世代がもっとも殺人を犯す比率が高い」と読むには無理がありませんか? RT @Shueisha_int Wikipediaの少年犯罪の項「少年の凶悪犯罪の件数」のところでその考察がありました。 http://ow.ly/3neT5 Echofonから Shueisha_int宛

 すると直ぐに反応があった。

  • <SI>たしかにそのデータだけでは青少年時だけの犯罪率比較であり、成人後の犯罪比率は分かりません。他のデータが必要です。 RT @nsw2072: 古いレスポンスで恐縮ですが、このデーターから「団塊の世代がもっとも殺人を犯す比率が高い」と読むには無理がありませんか? HootSuiteから
  • <nsw2072>「戦後の犯罪統計を見ると、もっとも殺人を犯す比率の高いのは──これは言いたくなかったけれど、団塊の世代なのです。」とされたのには他にも根拠があると云うことですか?それともこれを云うのは間違っていると云うことでしょうか? RT @Shueisha_int 他のデータが必要です。Echofonから Shueisha_int宛
  • <SI>警察が公表しているデータを再処理すると、それぞれの世代における重大犯罪の発生比率は時系列でもフォローできます。同世代の人口が多く、そのために集団内圧力が高いせいなのか、戦後のベビーブーマー集団は他の世代よりも殺人などの発生率が高くなっているという話でした。 HootSuiteから nsw2072宛
  • <nsw2072>問題は「ベイビーブーマー」集団と限定することにあります。犯罪白書において明らかにされている数字はその集団を定義していないのです。 RT @Shueisha_int 集団内圧力が高いせいなのか、戦後のベビーブーマー集団は他の世代よりも殺人などの発生率が高くなっているという話でした。Echofonから Shueisha_int宛
  • <SI>ベビーブーマー集団とは不適切でしたかね。世代です。でも、小生の聞いた話が違うという資料や研究があればご教示ください。よろこんで勉強したいと思います。 HootSuiteから nsw2072宛

彼は誰に対するレスポンスというわけでなくこんなつぶやきをした。

  • <SI>まあ、でも団塊の世代が元気があるのは安保闘争で実証されておりますね。私どもの世代はその10年くらい後で「三無主義」などと言われまして、無気力、無節操、無思想と批判されております。いまだに無気力です、はい^^; HootSuiteから

 なんと彼は50代だと云うことが類推できる。(若くないジャン)。
 私は私が書いた論拠を提示した。

  • <nsw2072>H20年度版犯罪白書第7編第2章第1節2罪名別動向で高齢者の犯罪は全般に増えているとされているのは事実です。それをたった3年間でしかない、いわゆる「団塊の世代」と断定するのは早計でした。これは縦断的調査が必要ですが、多分組み直すことも可能の筈。 RT @Shueisha_int Echofonから Shueisha_int宛
  • <SI>たしかに世代論というのはいろいろとむずかしいですよね。でも、まあ「今どきの若い者は」というのも、世代論の一種です。 nsw2072宛

 何度も書くけれど、私が気に入らなかったのは彼が「団塊の世代は殺人を犯す比率が高い」と断定して書いたことにある。
 結局彼(彼女?)はベビー・ブーマーとしたのは不適切だと認めているけれど、いずれにしてもお前だって世代論を振り回しているだろうと指摘して、一切間違いを書いたとは認めていない。団塊の世代(ベビー・ブーマー)という言葉が誰を指すのかと云うことを認識できていないという点はあるが、犯罪白書そのものが指摘している「高齢者」をきちんと定義をしていないことにもその原因はあると云って良い。
 平成20年度版犯罪白書を見ると確かに50代、60代の凶悪犯罪検挙数は以前に比べると増えている。しかし、このバックグラウンドが何によるか、までには言及できていない。ひょっとすると少年時代の何らかの要素が影響を及ぼしているのか(例えば戦争による影響)、社会全体が高齢化したことによる影響があるのかもしれない。もうひとつは縦断的な考察をしてみる必要があると云うことだ。常に前後の世代に較べて凶悪犯罪を犯して検挙される率が高いのだというのであれば、戦後の生育時代の影響があると云っても良いかもしれない。これは一歩踏み込んでみる価値はあるかもしれない。

工事現場

 わが集合住宅のベランダから見ると今を盛りとクレーンが動いている工事現場がいくつか見える。最も著名なのものは例の東京ナンタラツリーで、ついにその偉容は遙かに高さ500mを超え、威風堂々辺りを払うと云えば聞こえは良いが、本当にこんなものが民家の密集した中にずぼっと立って大丈夫なんだろうか、と大いに不安感を与えるのである。
 反対側を見てやれば、地上120mになんなんとするという37階建ての高層集合住宅の建築が基礎部分の工事を終えて、鉄筋をどんどん運び込み、コンクリートミキサーががぁがぁと走り回りおおよそ10階部分くらいまで立ち上がってきており、これが全部立ち上がると、今ぐらいの季節の午後になると遙かにお陽様を遮って、さしもの冬でも暖房いらずだったわが家も暖房経費がかかることになるのだろうと今から憂鬱この上ない。
 つい先日まで屋根付き駐車場で、週末ともなると次から次に車がやってきては満車状態が続いた敷地も、売り飛ばしたのか、あるいは地主が自分で建築するのか知らないけれど、建屋、コンクリート舗装部分を撤去しだした。これでしばらく工事が続くことになる。
 昔だったらなんの邪念もなしで、ただ純粋に、ひたすら工事現場を、座り込んででも見続けていたもので、その動機にはなんのやましいところもない。
 しかし、人は長ずるに及んで、鬱陶しいとか、日照権、景観の点で問題があるじゃないか、あるいは交通の妨げだと、いろいろ考えるものだ。
 それにしてもこんなにごみごみとほんの少しの隙間もゆるさんぞ、というほどの都会に、すくっとあたりを睥睨する建物を建てるというのはそこに暮らす人間にとっては実に気持ちが良いのだろうけれど、周辺住民にとっては実に気が重いものだ。尤も自分の周辺の方たちもそう思っておいでなんだろうなぁ。

TBSテレビ

 昨日の朝のTBSテレビの、もうすでに賞味期間が切れかかっているみのもんたの「アサズバ」が大胆にも民主党川内博史森ゆうこをゲストに招き、毎日新聞論説委員与良正男、TBS解説委員・杉尾秀哉、日大教授・高木美也子というところ(もうひとりいたけど、どうでも良いや)を相手にして小沢一郎のいわゆる「政治と金」論議をした。
 なにしろこの番組は日本のマスコミの政治報道の典型を示しているという点では日本テレビの「ゼロ」だかなんかと双璧・・あ、いや、フジサンケイの「新報道2001」、あれ?よみうりテレビ辛坊治郎の番組もあるし・・・ま、良いや、とにかく日本のマスコミはどれもこれも日本国民に真実を報道する努力を全く放りだしておって、この番組も全くそうであることをその場で暴露してしまった。
 とにかく小沢一郎はなんで国会の政治倫理審査会に出席して国民の前に真実をつまびらかにしないんだというのが趣旨なんである。誰が言い出したのか忘れたけれど、西松建設からの金はどうなっているのかと訊ねた。そこで森ゆうこが言い始めた。あの裁判はもう既になくなっているのを知らないのかと。
 すると、対峙していた4人のコメンテーターは口をつぐんだ。西松建設からの実態のない政治団体を経由しての政治献金とされていたものは、裁判の過程で実態がある政治団体だということが判明したので、検察の容疑がなくなってしまったので、取りやめとなってしまったのだというのだ。ここにいたみのも含めた5人はこのことを知らなかった。それ位、この事実は報じられていない。私も知らなかった。
 つまりこの番組も含めてマスコミはこの事実を取り上げることもなく、小沢一郎の「政治と金」というイメージだけを思いっきり膨らますだけ膨らましているということで、「AB蔵」のように微に入り細に入り報じることをしていないのだ。どっちが大事かといったら小学生でもわかりそうなことだというのに、彼等は酔っぱらいの喧嘩にかまけているのである。
 民主党党首の菅直人もわかっていないのだけれど、民主党代表選で小沢一郎が彼の政治資金については必要があればいつでも国会で話すといっていたじゃないかといっているけれど、あの時点では検査審査会議決による強制起訴が決定していなかった、というよりも話になっていなかったのだ。今は、第五検察審査会が実存するのかどうかという点が明確になっていないけれど、議決されて彼は起訴されることが決定しており、裁判にかかることが決まっている以上、他の場において自己の立場を主張して良いのかといったら、それは平等の見地から許されるべきではないだろう。
 そんなことも理解できないまま、小沢一郎にかけられているといわれている容疑が一体なんなのか、そしてそれはどういう観点から問題なのか、あるいは問題になり得ないのか、全く報じていないし、稚拙な番組の中で本人欠席のままの裁判まがいな一方的断罪をしていることを直ちに深く反省するべきなのだ。
 これをきっかけにこの番組が小沢一郎の、いわゆる疑惑というものがどんなものであるのかをつまびらかにするのであれば、立派だということができるけれど、多分面子にこだわってそんなことをすることは期待できないだろう。毎日新聞もTBSも観察町からのリーク情報源を失う可能性がある、とびびってしまうんだろう。
追記:思い出した。コメンテーター諸氏は「政治倫理審議会は、法律を論じるんではなくて、"倫理”なんだ、問題は倫理なんだ」とまで云ったのである。え〜っ!今まで誰か、そんなこと云ってたっけ??なんである。

2010年12月14日のツイート