ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

報道管制

 自民党は5日夜、TBSの報道内容が公平さを欠いているとの理由による同局から取材拒否について、TBSの西野智彦報道局長名の文書が石破茂幹事長宛てに提出されたことを受けて解除したと発表した。文書には「指摘を受けたことを重く受け止める。今後一層公平、公正に報道していく」と記された。
 安倍晋三首相(党総裁)はBSフジ番組で「今後はしっかりと公正な報道をするという事実上の謝罪をしてもらったので問題は決着した」と説明した。
 問題となったのは、国会会期末の与野党攻防の末に電気事業法改正案などが廃案となった経緯に関する報道番組「NEWS23」の内容。自民党は「廃案の責任が全て与党側にあると視聴者に誤解させるような内容があった」として、4日に取材拒否を発表していた。(msn産経ニュース2013.7.5 21:26)

 アシアナ航空のサンフランシスコ事故をあれほどしつこく報道する暇があるのであれば、この一件を報道機関の全面的敗退であることを主張し続けるマスコミがいてもおかしくはないだろう。
 自民党の広報機関に過ぎないフジテレビ、産経新聞はあたかもTBSが許し難い不公平報道をしたのが悪いというスタンスで報じているけれど、これは自分たちが正に自民党ヨイショ報道機関であることを認めているに過ぎない。
 大本営の復活以外の何者ではないではないか。これを激しく批判するマスコミがいないというのは恐るべき事態である。
 しかるにTBSもTBSであっという間に白旗である。何が「一層公平、公正に報道」か。意気地なし!お前達がこの社会をあの恥ずべき統制社会の復活に一役買っていることは確かだ。

自信

 自信を喪失しちゃった、という人は励まして上げなくてはいかんわけだけれど、自信に満ちあふれ過ぎちゃっているっていう人はどうしたら良いんだろうか。先日知人の某氏が彼の友人のひとりを評して、「自信満々で反省という言葉が見あたらない」といったのを聞いて、どんな場面でそれを感じたのかなぁと思った。
 先週出逢った知人が小説を書いているんだ、という。どうもこの歳になると、自分史だとかなんだか知らないけれど小説と称するものを書きたくなる人が少なからずいるらしくて、カルチャーセンターでも、それの講座が必ず見つかる。彼が書いてくる長文のマルチ宛先メールはなるほどすらすらとしたものなので、「なかなか美文を書きますなぁ」と一言いったら、それからとめどなく自分が如何に昔からたくさんの女性を相手に文通をしてきたのかを語るのだった。つまりだから自分は文章が巧くなったといいたいわけだ。しかも彼はそれをすべて今でも保存しているというのだ。思わず気を失いそうになった。

繰り返す

 自分が中学、高校の頃、アジア太平洋戦争の話になる度に、なんでそんな状態にこの国の社会が転がり落ちていったのか、そのきっかけが良くわからないとは思っていた。まさか2.26がそこに至るハンドルを切り替える大きなポイントであったとは思わずにただ単に日本史の中の項目の一つとしてしか理解していなかった。つまり、歴史を勉強していたんではなくて、受験技術の習得というものに振り回されていたということだ。先生方がどんな意識を持ってそれを扱っておられたのか私には良くわからない。
 確かうちの死んだオヤジは2.26事件の直後に就職している。「大学は出たけれど」という時代だったらしい。つまり一番脂ののりきった青春時代があんなきっかけとなった時代だったわけだ。
 そのオヤジに「なんであの戦争を止めることができなかったのか」と聞いたことがある。随分きついことをいったものだということができるのは今になってからだけれど、単純なる私は国民一人一人が自覚をして、そんな方向に向かう国家に「NO」を突きつけたらそんなことが起きるわけがないではないかと主張した。
 私が高校から大学の学生だった頃、テレビのニュースでベトナムの惨状を聞くにつけて私が「反対」の意思をあらわにすると、あたかもそれをからかうかの如くオヤジは「これで日本は儲かるんだ」といっていた。このどうしようもないオヤジは話をする価値もないといって私は殆どオヤジと口を利かない日々が続いていた。
 私が家庭を持ってオヤジから自立してもう随分経ってからオヤジは学生時代の友人と共に彼らの戦争中の様子を文字に残した。それを読んで驚いた。彼は徴兵されて北支に従軍した。つまり侵略軍の兵隊だったわけだ。大学卒なんだから試験を受けろといわれたらしいのだけれど、そんなことになるとずっと軍にいることになるからとなんだかんだと逃げ回ったと書いてある。そこに証人がいるわけではないから、本当に彼がそう思っていたのか、戦後随分経ってからのことだから、そういうことにしていたのかはわからないけれど、彼は反戦意識を持っていたのかも知れないし、私にベトナム戦争について、あんな価値観をわざと示して私のベトナム戦争への関心を確かめたのかも知れない。消極的戦争忌避を示していたことになるのだろうか。
 さて、私たちの現在はどうだろうか。このままにしておくと、自民党が選挙に勝って憲法が改正され、国民の人権は公の秩序に反しない限りの限定的なものとされてしまって、徴兵制度が施行され、国防軍が復活。天皇が元首となって原発運転、核兵器の公然装備、への道が大きく開けていくことになる。
 私たちはこれから先の日本国民世代に大きな禍根を残していこうとしている。「なんであの流れを阻止してくれなかったのか!」というそしりを免れるのは殆ど無理だということだ。
 しかし、今のマスコミの煽り方を見ていると、今度の参院選挙は一挙にこの国をそっちに向かわせるきっかけになりそうだ。

2013年07月07日のツイート