ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

吉原

 NHKのテレビが5月に放送した「YOKYOディープ!・江戸の華 吉原ふたたび」てのを再放送していた。イヤな話題だ。遊郭研究の権威といったら立教大の名誉教授で、東日本震災当時、立教高校新座の校長をしていて、卒業生に対する言葉で話題になった渡辺憲司先生が漫才のゴリを連れて吉原を案内。
 それはそれで良いんだけれど、今、若い女性の間でかつての吉原に関して興味を持つ人たちが増えていて、かつての江戸の文化を偲び、なんと吉原神社にお参りする人たちが増えているってんだが、驚くというよりも、現実を美化する人たちの恐ろしさに底知れぬものを感じたのだった。番組の作り方もさることながら、彼女たちの感情は理解できない。
 吉原って街がどんなことになっていたのか、様々な理由で苦界に身を沈め、悲惨な籠の鳥として人生を男達の性欲望のはけ口にされ続けた人たちのことを考えたら、何が「江戸文化」だってんだと腹が立って仕方がない。花魁道中を再現して喜んでいる連中の気が知れない。なにが花魁にも気概があったんだなんて美化するなよ。このてのテレビ連中の手にかかったら、特攻隊を美化することくらいお茶の子さいさいだろう。
 巷の若い女性達が花魁の髷を真似しただとか、今でいうブロマイドだった草紙だ、なんて美化するが、そんな真似した女が大店の娘なんかにいたわきゃない。今だって、品のない女子どもはまるでストリートガールみたいな格好しているじゃないか。それがおしゃれだと思っているバカさ加減。

山口敬之事件

 被害者が顔まで出してその被害を訴えている準強姦事件。検察審議会も不起訴決定をした。しかし、被害者が本まで出して訴えている。その疑いをかけられている元TBSの山口敬之は本当に罪はないと思っているんだったらなんで被害者たる女性を名誉毀損かなんかで訴えないのか。もうこの時点で勝負はありじゃないのか。
 野党国会議員の女性達が集まって議論までしている。不思議なのは自民党は党をあげてこの事件を無視しようとしていること。つまり安倍晋三の取り巻きのひとりである山口敬之を政権がかくまっているわけだ。不誠実も甚だしいどころか、驚くべき事態。衆議院法務委員会で希望の党柚木道義が質問をすると自民党平口洋委員長は一般人の個別の案件についての議論はやめろという。ここまでの事件になっている件をここまで隠し続けるのは異常。
 柚木道義の質問の冒頭をご覧になると、如何に緩みきった政権なのかが良くわかる。これを見ていたら、学校で習った三権分立なんてものは全く嘘っぱちで、立法府たる国会は明らかに行政府の付属機関に過ぎず、司法なんてものだって、行政府付きみたいなものでございます。なんたって最高裁の判事だって、行政府の長が任命するなんてんでバッカみたいなものである。

テレビで芝居

 KERA MAP公演「グッドバイ」のアンコール放送をやっていた。なんでこんな面白い舞台の中継録画をこんな未明というか、明け方にやっているんだい?
 たまたま、目が覚めたらNFLの生中継があるというので、それを見ていたのだけれど、とかくNFLの中継は途中で長大なるコマーシャル・タイムが挟まって、動きがぴたっと止まってしまうので、そのすきにチャンネルを変えてみたら遭遇したのだった。また、Houston Texans 対 Tennessee Titansの試合が、これまた面白くないのだ。
 仲村トオル小池栄子水野美紀夏帆門脇麦町田マリー緒川たまき萩原聖人池谷のぶえ野間口徹山崎一というキャストで2015年 9月の公演の録画らしい。原作は途中まで書いて、愛人と心中した、あの太宰治の遺作だってんですが、それを一本に仕上げたってことでしょうか。これはかなり面白い芝居だった。役者も手練れものばかりで、池谷のぶえの易者が気に入ったなり。
 それにしても小池栄子がこういう役者だったのだとは知らなかったからかなり意外だった。芝居の大げさ具合が好きじゃなくて、舞台を見に行くことは全くないけれど、これだったら見に行っても良いかもしれないなと思ったのだ。
 そういわれてみれば、オペラにしろ、この種の舞台にしろ、若い頃は本当に好きじゃなかった。あのあまりのわざとらしさに、思わずうつむいてあらぬ事をつぶやいてしまいそうで、自分で自分が怖かった。ヘタックソな前座が高座に上がっているときに思わずそうしてしまうように。ちょっと冗漫な部分もなきにしもあらずだけれど、総じて面白かった。

2017年12月03日のツイート