NHKのテレビが5月に放送した「YOKYOディープ!・江戸の華 吉原ふたたび」てのを再放送していた。イヤな話題だ。遊郭研究の権威といったら立教大の名誉教授で、東日本震災当時、立教高校新座の校長をしていて、卒業生に対する言葉で話題になった渡辺憲司先生が漫才のゴリを連れて吉原を案内。
それはそれで良いんだけれど、今、若い女性の間でかつての吉原に関して興味を持つ人たちが増えていて、かつての江戸の文化を偲び、なんと吉原神社にお参りする人たちが増えているってんだが、驚くというよりも、現実を美化する人たちの恐ろしさに底知れぬものを感じたのだった。番組の作り方もさることながら、彼女たちの感情は理解できない。
吉原って街がどんなことになっていたのか、様々な理由で苦界に身を沈め、悲惨な籠の鳥として人生を男達の性欲望のはけ口にされ続けた人たちのことを考えたら、何が「江戸文化」だってんだと腹が立って仕方がない。花魁道中を再現して喜んでいる連中の気が知れない。なにが花魁にも気概があったんだなんて美化するなよ。このてのテレビ連中の手にかかったら、特攻隊を美化することくらいお茶の子さいさいだろう。
巷の若い女性達が花魁の髷を真似しただとか、今でいうブロマイドだった草紙だ、なんて美化するが、そんな真似した女が大店の娘なんかにいたわきゃない。今だって、品のない女子どもはまるでストリートガールみたいな格好しているじゃないか。それがおしゃれだと思っているバカさ加減。