
この国には誰が住んでも、暮らしても良いんです。この国というか、この列島は、地球の一部分ですから、地球に生きとし生けるものは、誰だろうと暮らして良いんです。生産効率が高い人は住んでいいけれど、生産手段を持たない人は暮らしていてはいけないなんてことはないのです。たまたまそこに生を得た人だろうと、他の何処かでたまたま生まれた人だって、誰でも暮らしていて良いんです、なんなれば、この地球に暮らす人はみんなおんなじなんですから。暮らしにくいなぁ、ここに暮らしていると息が詰まっちまう、という人は他所へ行って良いんです、だってみんな誰も彼もがこの地球に生まれた人であり、動物だからですよ。言葉が通じない人が暮らしてはいけないとか、着るものがみんなと違うからだめだ、なんてことはないんです。なぜなら、みんなおんなじ人なんですから。ものすごく口が立つ人は暮らしていいけれど、喋るのが下手な人だめだなんてことはないんです。足の早いやつ、計算の速いやつは住んでいいけれど、逆上がりができないやつ、走らせるとからっきしのやつはどっか他に行け、なんてことはないんです。隣の国の言葉が旨いやつは便利でいいけれど、発音がダメな奴は暮らしちゃだめだなんてことはないのです。そのかわりうまくもないのに、俺は隣の言葉がほら、上手いだろ?なんて嘘を付くのはあんまり良くないね。でも、個々の言葉しかできなくても大丈夫、誰かが通訳してくれるんだから。中には鳥がなにを欲しがっているのかわかるんだって人だっていますよ、だから下手でも良いんです。そのかわり、他の人や動物に「お前は気に入らないから出ていけ!」なんていっちゃだめだな。反対の立場にきみがいつ立つハメになるか、わからないんだから。人を避けて暮らしたい人だって、いたってもちろん良いんです。いつか人と話したくなったら、それでも良いんです。
こういう人は出ていけ、なんていっちゃいけないよ、きみもいつそうなるかわからないからだけじゃなくて、みんな誰も彼もいて良いんだからね。
