ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ずるっこい

私のような人間は電車に乗ったら目をつぶり、あるいは本に目を落としている。さもないと様々な状況が電車の中に繰り広げられているので、それを目にするごとにイライラし、カッときてムカっとして血圧が上がり、歯を食いしばるから奥歯がゆるくなり、加齢現象に拍車がかかるということになる。
日本国内だけでもそうなるのだけれど、そこに西洋人が加わると飛んでもないことが起きる。だいたい東京の地下鉄は狭いから、彼らが座るとこっちの座席とあっちの座席で声を掛け合って会話をしようとする。従ってうるさくなる。彼らが自国でもそんなことをしているのかといったら、そんな訳はなくて、旅先だから気が緩み、その上舞い上がっているからなのだ。一言「うるさい!」と日本語でいうといい。今度はきっといってやろう。
欧州を時として歩くと、電車の中にやたらと音楽を演奏する輩が乗ってくる。今時はバッテリーで動く小さくて性能の良いアンプがあるものだから、伴奏をうちこんできて、アコーディオンをかき鳴らす、あるいはアコーディオンとサックスのデュオなんてのまでいる。混んでいるっていうのにやってくるやつだっている。勝手に演奏して、コップを持ってみんなに差し出す。入れろというのだけれど、ほとんど誰もいれない。それで上手ければいいけれど、チューニングが狂っていたりした日には、思わず顔に出る。
一度、ブダペストのジェルボーの前にいるコップ演奏の兄ちゃんに教えをこいたら良い。
西洋人は列をつくるのがへたっくそだ。きちんと効率良く無駄なく並ぶ、ということができない。ダラダラと、並んでいるのか、いないのか判然としない。だから、その度に「お前は列に並んでいるのか?」と聞く羽目になる。そのくせ、平気で「わたしはどうしても時間がなくて急いでいるんだ!前にいれてくれ!」なんていいだすやつもいる。てめぇが遅れてきたのがいけねぇんじゃねぇか!と啖呵を切りたいところだけれど、勢いに押されて入れちゃう奴も入れちゃうやつだ。
普通のやつのくせに平気でみんなの目を盗んでずるこみするやつがいる。思わず、日本語で「きたねぇぞ!」と怒鳴るけれど、意味わかんないんだから蛙のツラにしょんべんだ(恐縮である)。彼らは基本的に羊なのだ。四六時中口をぐちゅぐちゅ動かしており、群れになっているのかいないのかわからないうちに、なんとなく秩序ができているらしい。概ねそうなっていればいいらしい。がまんができかねる。