iPodに入っている圓生百席をためつすがめつしていたら、「松葉屋瀬川」があった。あれ?多分聞いたことがないぞ、と聞き始めた。ある大店の若旦那が日頃から本ばかり読んでいると、親が心配して、在にある家から江戸の店に出される。しかし、それでも本ばかり読んでいると、番頭が心配をして、連れ出す。あちこち歩いて、吉原へ来るんだけれど、「番頭さん!あぁたは私に何をさせようてんです!お暇を出しますよ!」と怒る。番頭は一計を案じ、医者を目指したこともあるけれど、遊びに入れ込んで、家を勘当になって幇間になった男を先生として近づける。そしてその幇間がじわじわと若旦那を誘導。とうとう吉原の松葉屋で瀬川花魁と遭遇する。どうもこの辺りまでは、「明烏」じゃないかと思うような噺。入れ込んだ挙句に今度はこの若旦那が半年になんと800両という金を注ぎ込んで勘当ということになる。こっから先があれよあれよ。世の中そんなにうまい具合に展開してたまるか、という噺。聞いたことあったかな。